好きな子にはイタズラを【国 見 英】

イタズラを。12 ページ12

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「…あ、自転車取りに行かないと」

「ん、」



靴を履いて外へ出る。

朝の大雨はなんだったのだろうか、雨が降る気配すらない。

それどころか晴れていて星が見える。



「朝もこんくらい晴れてたら濡れなかったのに…」

「どんまい」

「国見にソレ言われたら超ムカつくのなんでかな」

「お子様だから」

「私のこと舐め過ぎだよね、うん」



一瞬足踏んでやろうかとおもったけどその行動自体お子様っぽいからやめた。

やめた私、偉い。

心の中で自分を褒めつつ自転車の鍵を出した時。



「あれ、また自転車倒れてる…止め方悪いのかな」

「あぁ、それやってんの俺」

「お前か！！！」

「部活終わった後わざわざ駐輪場来てやってんだよ」

「余計な手間増やしてんのお前じゃねーか！！」



毎日のように倒れている自転車に疑問を持っていたが今日、判明した。

わざわざ倒しに来るとか暇かよ…

国見と帰るのは初めてだし、そりゃ気づかないわけだよ。



「…あれ、でも今日の朝私より先に教室にいたよね？」

「居たな」

「どうやって自転車倒したの？」



待ち伏せしたとしても自転車倒すまでの時間があるし、その間私は教室に向かっているわけで国見が先に教室にいるわけがない。

にも関わらず今日も自転車は倒れていた。

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