好きな子にはイタズラを【国 見 英】

イタズラを。11 ページ11

時計を見ると軽く3時間半は待っている。

…待てよ、国見ってバレー部じゃん、部活入ってるじゃん。

まさか部活やってんじゃ…？

だとしたらアイツまじ最低だぞオイ！！！

普通先に用事終わらせてから部活行くよね？？

それともそれすら面倒くさいから部活終わってからでいいや〜的な？

どんだけ低燃費だよ、いや国見が低燃費なのは知ってるけども！！！

これ以上待ちきれずに【帰る】とメッセージを送ろうとした時。



「…あ、来た！！！遅いよ！！私ずっと待ってたんだよ！？」



ドアの開く音に反応しそちらを見ればジャージ姿の国見が立っていた。

疲れたような顔をしているが疲れているのは私の方だ。

そのまま図書室に入ってきた国見にそう言えば彼は真顔でこう言った。



「すぐ来てなんて言ったっけ」

「ねぇ一回殴っていい？」

「まぁ、確かに言わなかったのは謝る。だけど律儀に待っててくれるとは思ってなかった」

「ッ…それは、」

「なんか期待した？」

「は！？してませんけどやめてもらえますか！！」



まさに図星、期待してましたけども。

それを当てられるなんて思っていなくて、待ってたことを後悔した。

別に期待して待ってたわけじゃなくてただ呼ばれたから待ってたわけであって…

…なんて言ったら言い訳になるだろうか。

現に、好きでも無い人に3時間半時間を割くような女じゃ無いもので。



「送る。その時話す」

「…うん、」



カバンを掴んで国見のすぐ後ろを歩く。

送る と言う言葉にキュンとしながらも待たされたことに関してはやっぱりイライラした。

この半々な気持ち、ほんと、めんどくさい。

イタズラを。12→←イタズラを。10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す