シチュエーション

リクエスト ページ44

浮気しなそうで、頼りになって、かっこいいから付き合った。

見た目はもちろん中身までもろタイプな岩泉さんは一つ上の先輩だ。

学年が違うっていうのが最大の不満なんだけどこれはまぁ、仕方がない。

…なんて割り切ってるけどたまに、たまーに、不安になってしまうのだ。

3年のフロアは一年の私にとっては怖い場所。

だってみんな年上だし、先輩だし……

でも岩泉さんに会うって決めたから滅茶苦茶勇気出して彼のいる教室に顔を出した。


…ふと、引き寄せられるようにあう視線。

ドアから一番離れた場所にいた彼は私を見るなりアーモンド型の目を丸くした。


そしてズカズカとこっちに来て見下ろすようにドアに手をついた岩泉さんは おぅ、 と一言。



「こ、こんにちは。よく気づきましたね」

「あー、まぁな。どうした？」

「や、特に用は無いんですけど……強いて言うなら、顔見たいなぁって」

「…なんだ、ソレ。俺の顔なんていつでも見れんだろ」



照れ臭そうにそらされた視線。

こういう顔を見られるのって、見せてくれるのって限られた人なのかなって思うとそれはなんだか嬉しいもので。



「そのためだけにここまで来たのか」

「はい！3年生のフロアはちょっと怖いですけど…」

「あー、確かに年上しかいないもんな。場所変えるか？」

「え、それはいいです！悪いので！」

「いいから行くぞ」



戸惑いつつ、さっさと歩く彼の背中を追う。

…そういえば前、もう少し身長が欲しいって言ってたっけ。

後ろから見たら…っていうか岩泉さん普通に背高いと思うんだけどなぁ…

・→←NGシーン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す