【 キス 部位 】 検索

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「……そんなの、俺が許すと思ってんですか」

「…赤葦が決めることじゃない。先輩命令」

「…でも、」

「でもじゃなくて！もう放っといて、よ……？」



でも、と同時に掴まれた腕を振り払う。

そして睨むように彼を見上げた時


いつもみたいなクールな表情はどこにいったのか。

彼の黒い瞳が揺らいでいるのに、気がついた。


なに、なんで、そんな顔するの？

いつもみたいに呆れた顔してよ、そして 馬鹿ですか って、言って、それで……



「……なんで、そんな顔するの、」

「…俺、今どんな顔してます？」

「……物凄く、傷つきました、みたいな」

「…へぇ。じゃあ俺は傷ついたんでしょうね、Aさんの一言に」



自傷気味に笑う赤葦を見て、胸がズキリと痛む。



「馬鹿にしてたことは謝ります。そのお詫びといえばなんですが……」



そう言った赤葦は私の指先を優しく握った。

そして目を閉じ手の甲へと、自分の唇へと押し当てる。

あまりにも自然なその行動に、手を引っ込めることも声を出すこともできなかった。

しっとりとした唇が離れてから ようやく声を出す。



「…なに、して、」

「さぁ……馬鹿なAさんに意味はわからないでしょうね」



そう言って不敵に笑った赤葦はいたずらを成功させた子供のような顔だった。



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手の甲:敬愛

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