【 キス 部位 】 検索

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数メートル先の青信号が点滅している。

チカチカと光るそれに従い足を止めれば彼も同じく足を止めた。

地面に映る赤を見つめたまま、口を開く。



「…あー、なんかごめん。しんみりした空気になっちゃったね！」

「……いや、大丈夫」



私より背の高い彼を見上げれば、少し無理して笑ったような顔をしていた。

灰色に反射する赤を見つめたまま あぁ好きだ と考える。

言うタイミングなんて嫌なほどあった。

だけど臆病な私はソレを口に出さない。



「……まぁ、卒業してもスガの事は忘れないよ」

「はは、俺もAの事、忘れないよ」

「……忘れたくても、忘れられないと思うんだ」



車道側の信号が、黄色に変わる。

それと同時に前を向いた時



「……A、」

「わ、」



肩を抱かれて、少しよろめく。

前髪あたりにフワリとなにかが触れた気がした。



「……え、なに、」

「……あ、ごめん」



慌てて離れたスガを見る。

信号は青なのに、彼は反射されてる光に負けないほど赤い顔をしていた。



「……その、あまりにも可愛いから、しちゃった」

「な、なにを、」

「………秘密！」

「え、なにそれ！教えてよ！！」



先に足を進めるスガの、少し後ろを歩く。

何度聞いても彼は笑ったまま 秘密 と答えたのだった。



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髪の毛:思慕(恋しく思うこと)

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