恋に期間は関係ない。【赤 葦 京 治】

雨の中の逃走劇 ページ14

外は相変わらず雨が降り、雷が鳴っている。

そんな中3時間目の授業を終えた頃だった。



「帰る」

「は？」



急にAが 帰る と言い始めたのだ。

鞄を持ち怒ったように教室を出ようとする彼女を引き止める。



「具合悪いの？」

「別に」

「……怒ってる？」

「怒ってない。離して」



見るからに怒ってるし明らかに不機嫌だ。

理由を聞いても なんでもない の一点張り。



「体調不良じゃないなら帰ったらダメ」

「なんで、赤葦に関係ないじゃん」



そう言って手を振り払い、そのまま廊下を駆けていった。


……その後ろ姿が、Aが俺から離れて行くようで物凄く虚しい気持ちになった。


追うべき？

でも今追ったところで彼女の機嫌が直るわけではない。

そもそも理由を教えてくれないのは昔からのことだった。

何を聞いても なんでもない と答えよく困らされたのを覚えてる。


というか、A雷ダメじゃなかったっけ？


それが頭に浮かぶと同時に鞄へとものを突っ込み、携帯片手にAの後を追った。

サボり……


まぁ、怒られるときは一緒に怒られよう。


まずは彼女を追うべきだ。

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