恋に期間は関係ない。【赤 葦 京 治】

中学の頃 2 ページ2

情けなく泣く私を見た彼は少しだけ目を見開いた。

でもすぐに無へと変わり無言で頭を撫でてくる。

制服を裾を掴んだまま目を擦り鼻をすするとその手はゆっくりと離れた。



「……寂しくないよ」

「……なんで」

「だって、俺らずっと一緒だったじゃん」

「……3年間だけだし」

「その間でも」



寂しくないよと言い切る彼にギュッと胸が鷲掴みされた気持ちになる。

痛い。

ずっと一緒だった、だからなに？

引っ越すんだからもう会えないじゃん、一緒に居られないじゃん。



「やだ、行かないでよッ……なんで、」

「A」



無意識に制服を掴んだ手に力を込める。

涙をボロボロと流したまま赤葦を見つめた。


そんな私を、優しく呼ぶ。


酷く優しいその声は 寂しいの と 怒り と あと一つ、そのあと一つに当てはまるものだった。



「絶対また会えるよ」



……なんの確信があるのかわからない。

わからないけど、赤葦が言うとなぜか信じてしまう。

安心してしまう自分がいるのだ。


そっか、あと一つは……


彼への 恋心 だったのか。

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