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リクエスト ページ16

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吸血鬼:黒尾鉄朗

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吸血鬼がみな、赤い目をしているとか、夜行性とか、ニンニクが嫌いとか、十字架が弱点とか、そういうわけじゃない。

ただこの男は無敵すぎた。

それも迷惑なほどに……




「ぎゃああああ！悪霊退散！塵と化せ！！」

「吸血鬼は幽霊じゃありませーん。一回だけ血くれたらいいぜ」

「くたばれ変態吸血鬼」



とある日、1人で崇拝堂にて祈りを捧げていた時黒いマントを羽織ったこいつが急に現れた。

なんでも一目惚れされたらしくその日からずっと付きまとってくる。

吸血鬼にとって修道女の血はご馳走だとかなんだとか……

吸血鬼対策として十字架を胸に押し当てても、日光を浴びせても嫌がるところか涼しい顔をしてニヤニヤと近づいてくる。



「こ、来ないでよ！！」

「なーんでお前だけそんな口悪いのかね。普通修道女って厳粛な存在のはずなんだけど」

「……好きで修道誓願したわけじゃない」



修道誓願とは清貧、貞潔、服従を誓うものであり、私たちはこれを守らなくてはいけない。

私欲を捨て貧しく生き、身も心も清く生きていかねばならないのだ。

2人の姉もここで暮らし私欲を捨て清く生きている。

姉2人が来たからには、私もこうする他なかった。



「ふーん……まぁ、確かに修道女っつーキャラではねぇよな。つかいつになったら名前教えてくれんの？」

「……悪魔に教える事は無い。放っておいて」



そう言って押し当てていた十字架をソッと離した時



「でもさ、ほんとは寂しいんだろ」



腰に腕を回され、一気に距離を詰められる。

その反動で吸血鬼の胸に顔を押し当てる形になり慌てて胸を押した。

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