困った顔が好きなんです！【茂 庭 要】

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仕事やルールは滑津さんが教えてくれるらしい。

こんな美人の横にいていいのだろうか と思いつつ茂庭さんを見つめた。


どうやら彼は セッター というポジションらしい。


セッター、うん。聞いたことある。

ボールをあげる人……っていうのはわかる、うん。



「うちはブロックが要だから……」

「ぶろっく、ですか？」



二口さん、と青根さん、が今やったことがブロック…

つまりボールを止めることをブロックと、なるほど。


聞いて覚えるより見て覚えた方が楽なのは当たり前のことで、基本用語だけはしっかりと頭に叩き込んだ。



「っと……そろそろ休憩時間だ。これ配って貰ってもいいかな？」

「はい！」



渡されたのは何枚も重なったタオルで、滑津さんはボトルを持ち上げた。

後をついて歩き ドウゾ とぎこちなくタオルを差し出す。



「お、早速仕事してんの？」

「あっ、はい、」



3年生……だよね、多分。

緊張気味にそう返すと彼は自己紹介をした。

笹谷さん、やっぱり3年生だ。



「あー、あっちぃ！！！」

「脱ぐなよ？」



ジト目でそう言う笹谷さんのすぐ横……

名前は 鎌先さん だっけ。

さっきスパイカーの話をしている時に滑津さんが教えてくれた。



「か、カマサキさん……タオル、ドウゾ、」

「おー、サンキュ！！」



……あれ、見た目以上に怖くない。

声でかいし力強いしで怖そうだったけど案外いい人なのかもしれない…！

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