折りたたまれたラブレター。 【菅原孝支】

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結局、2人は教室まで一緒に来たようだ。

今日は朝練が休み、だからこの時間に登校してきたらしい。

確かにいつもは会わないし少し変な感じがしたのはそのせいか。

席に着くなり友達に囲まれ笑う彼をチラ見するA。

それと同時に昨日の夜書いたラブレターの存在を思い出した。



「…はぁ」



こう、現実的に考えると渡すなんて難しすぎる。

前の日は 渡そう！ とか意気込んでたくせにいざそうなると やっぱ無理 と下がってしまう。

Aの決心はそんなものだった。

机に頬杖ついて、窓を見る。

窓際の席は少し暑く感じた。



「よいしょ、」



…ふと、前の席から聞こえた声。

それと同時にカタン椅子の引く音が聞こえて、窓から視線をずらすと



「えっ、」

「よっ」



…ニコリと笑う菅原がそこにいた。



「なんか、ため息ついてたから来ちゃった」

「た、ため息…？」



…そういえばさっきラブレターのことを考えてため息ついた気がする、そう思ったAはそれと同時にもう１つの側が絵が浮かんだ。


___見てたって事、だよね。


……友達と、話してたのに？



無い、絶対そんな事無いのに期待が少し膨らんでしまう。

…ダメだ、期待なんかしちゃいけない。

そう思い彼の目を見ずに俯いた。

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