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甘い蜜には毒がある。
そして恋は一種の麻薬のようなものだ。
…まぁ、これは関係のない事だが。
俺はAを好きだった、
Aは岩泉さんを好きだった、
岩泉さんはAを好きだった。
「だった」って、なんか過去形みたいだけど実は現在進行形だったりする。
見てればわかる、気づかないのは岩泉さんとAくらいだ。
勝ち目なんてなかった。
けど、そんなの関係ない。
「おーい！国見ちゃん！」
「なに、声でかい」
「はは、ごめん！」
教室、開いた窓からぬるい風が入ってきて頬をかすめる。
天気は曇り、暑くもなく涼しくもない気温の中ウトウトしていた時だった。
騒がしい教室の中でも一段と目立つその声。
そいつは俺を呼びニコニコとしながら寄ってきた。
「よっこらせ。は〜、眠いなぁ。こんな日は寝るに限るよね！国見ちゃんは眠くないの？」
「たった今Aに妨害された」
「あはは、まさかぁ！私がそんな事するわけないじゃーん」
「胸張って言える？」
「それより！最近、岩泉さんの、なんかないの？」
…始まった、俺から岩泉さん情報を聞こうとするAの悪い癖。
「自分で聞けよ」なんて言っても「恥ずかしくて無理！」とか言いだす。
しかも話逸らしやがった。
「…そんなんで本当に片想いとやらは叶うの？」
「…多分？」
「ふーん」
「なんで？」
「岩泉さんがAを好きな確率は？」
「そ…んなの、わかんないけど」
まぁ、Aと岩泉さん以外はわかってるんだけど。
悔しい事に100%、君らは両想い。
「とにかく！頼りは国見ちゃんだけなの！」
「…へぇ」
好きな子に頼られるのは嬉しい事、
でもそれが「他の男」のためだと知ってるから意地悪したくなる。
「…わかった、任せて」
「うんうん、頼りにしてる！」
…あー、その無邪気な笑顔。
“好きな子には意地悪を”なんて言葉があるけど俺の場合…
「好きな子には 絶望 を」
「なんかさ、国見ちゃんの言葉って蜜みたい」
「…蜜？」
「私が喜ぶ情報をくれる、なんか甘い蜜…ご褒美みたい！」
…よくわからないけど、Aにとって「岩泉さんの情報」は「蜜」のようだ。
まあAからしたら甘い言葉甘い蜜だろう。
…さて、そろそろその笑みを変えてやろうか。
「じゃあそんなAに報告。
…岩泉さん、好きな人できたらしいよ」
俺からAへの甘い嘘、甘い蜜。
蜜というより…
「毒」？
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ビーーグル(プロフ) - み る くさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございました〜！ (2017年7月29日 10時) (
レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
み る く(プロフ) - こーゆ 続編系の好きです ！ありがとうございます …！ (2017年7月29日 8時) (レス) id: 7052ddf759 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - 【野菜痛め】さん» いいんですか！？ちなみにどんな話がいい〜とかありますか！？ (2017年7月29日 0時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
【野菜痛め】 - 急ですみません！ やっくんの小説作って貰えませんか。 どんなに短くてもいいです！ (2017年7月28日 23時) (レス) id: 6aaf41ee1a (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - 燐さん» 絶望に満ちた顔を見るのが楽しみっていうゲスい国見ちゃんでした笑笑 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビーーグル
| 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/chichichi1208
作成日時：2017年7月28日 15時
