構ってちゃんの恋心 【黒 尾 鉄 朗】

さ ページ9

眼に映るのは赤いジャージ


少し上を向くと、


口元を緩ませてる黒尾先輩の顔




「く、黒尾先輩ッ………」


「ごめん、怖かった？」




笑いながらそういう黒尾先輩の手が頭に乗った時




「ッ………怖、怖っ……」


「……え、」


「怖かった………！！！」




一気に視界が潤んで、そのまま溢れた


慌てる黒尾先輩の声も、


静かな住宅街に響く私の泣き声も、


今はそんなのどうでもよかった


ただただ怖かった




「ごめ、ちょ、泣くなって！」


「うああああ……」




頭を撫でられて、優しい言葉をかけられて


今度は安心したからか逆に涙が止まらない




「……ごめんって」


「違、安心、して……」




困った顔の黒尾先輩を見たいわけじゃない


でも、


安心した時の涙って意外と止まらないもので……


目を擦った時




「………ん、落ち着け」


「ッ……ぁ、」




背中に腕が回って、


黒尾先輩の胸に頭を押し付けられた

い→←だ

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