ツン & つん 【二 口 堅 治】

ツン ページ46

職員室に行った後、逃げようとした佐藤を捕まえる


逃がさねえぞオイ




「……で、さっきの返事は？」


「知らない」


「なんでだよ！！」




……こいつ、絶対信じてねぇ


信じてもらうには……


やっぱり、素直になるしかないようだ




「……よく聞け、チビ」


「は？」




顔を上げた佐藤の目を見る


少し頬が赤くて、動揺している目


佐藤の肩を掴み口を開いた




「……俺はお前が好きだ」


「っ……」


「……今までバカみたいなこと言ってきたけど、ずっと前から」


「……なにそれ、今更、」


「んなのわかってる。でも……好きだ。


…ずっと素直になれなかったけど」




だんだん俯く佐藤


さらに赤くなっていく顔を見て期待が高まる




「前、佐藤泣いてんの見てバカだなって思った」


「……バカで悪かったね」


「そうじゃなくて、泣かせた俺が」


「………」


「佐藤は俺のこと好き？」


「……嫌いじゃない」


「てことは好きってことでいい？」




もう一度、そう聞いた時




「……すき、ずっと素直になれなくてごめん」




顔を上げた佐藤が、照れ臭そうにそう言った


その顔に声にグッときて、抱きしめようとした時




「……あ、もうチャイム鳴るじゃん」




伸ばした腕がスカッと空振った


それに気づかず佐藤はスタスタと歩いている




「……おいてめぇ」


「は？なに怒ってんの」


「ムード！！」


「乙女かよ！」


「うるせぇ！！！」

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