愛の鞭 【赤 葦 京 治】

い ページ2

「赤葦はなんでそんなスラスラ解けるの？」


「誰かさんと違って寝ずに話聞いてるからかな」


「……」




ち、ちょっと気絶してるだけだし……


寝てないし！




「だって数学って眠くなるじゃん」


「だから赤点取るんだって」


「わ、わかってるし！」


「じゃあ文句言わないでやりなさい」




顔もあげずに淡々とそう言う赤葦


正論だからこそ返せない、そこが悔しかった


シャーペンの芯が削れる音が響く中


それ以上口を開くこともなく手を動かした




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「…あれー、なんでこんな答えになったんだろう」


「どれ？」


「ここ、回答はマイナスなのにプラスになる」




問題を指差せば少し前かがみになって覗き込む赤葦




「……Aまた凡ミスしてる」


「え、」


「おかしいと思ったら見直した方がいいよ。ここ、プラスじゃなくてマイナスだから」


「あー……」




ワークで凡ミス多いなら、本番はどうすればいいんだ……


この集中した30分の中、5問程間違っていた

の→←あ

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