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石はそのまま水底へ ページ6

チャイムが鳴ると同時に騒がしくなる教室。

購買に行く者、弁当を開く者、つまり今から昼休みだ。

ペンを片付け教科書を机に押し込んだ時、隣の席の男はやっぱり話しかけてきた。



「なぁ、一緒に昼食おうぜ」

「…やだ」

「えー、また逃げんの?それなら地獄の果てまで付いてくけど」



…え、それはさすがに気持ち悪い。

そんな思いが顔に出ていたのか黒尾くんは悟ったような顔をした。



「何もそんな顔しなくても」

「…気持ち悪」

「それ以上言わないで、俺の心崩壊する」



そう言った黒尾くんは遠い目をして はは、と笑い始めた。



「まぁ、嫌がることはしませんよ」

「してる」

「マジ?いつ」

「今」

「…マジか」



嫌がるっていうか、まぁ、前よりは嫌じゃ無いけど、なんか恥ずかしいしそれに…

好きって、実感しちゃうから。



「…じゃあ今日は諦める」

「…うん」



…これでいいんだ、ちょっと残念…でも無くも無くも無い、けど。

お弁当箱を取り出しピンク色の包みを開けようとした時、ヒョイと隣から奪われた。



「え、」

「俺が諦めると思う?」

「えっ」

「食べようよ、一緒に」



…いつもと少し違う雰囲気、柔らかい感じの笑顔で彼はそう言った。

その言葉に少し迷ったけど…



「……うん」



戸惑い半分、嬉しさ半分…

彼の押しに負けてしまった私は首を縦に振るのだった。

どんどん深く落ちてゆく→←水面には波紋が広がる



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設定タグ:ハイキュー , 黒尾 , 黒尾鉄朗   
作品ジャンル:アニメ
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ビーーグル(プロフ) - にゃーのさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです!! (2017年9月25日 16時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーの(プロフ) - 占ツクでは見かけないタイプの主人公で新鮮でめっちゃ面白くてよかったです。 (2017年9月25日 16時) (レス) id: 1dfb4bbc84 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - 燐さん» いやほんとソレ!!ですよね!!!からかわれつつ口説かれつつ怒る夢主を見て悶える黒尾を見つめたい… (2017年9月9日 0時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主さんがゆっくりと恋に落ちていく姿が丁寧に書かれてて、こんな恋したいなーと思いました。黒尾さんにからかわれながら口説かれたい! (2017年9月7日 22時) (レス) id: 6aa42038d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:https://odaibako.net/u/chichichi1208  
作成日時:2017年9月6日 21時

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