9.JUICY ページ9
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ラ「生放送の歌番組久しぶりだね！」
渡「気合い入れねぇとだな」
今日は久々の歌番組生放送。
本番前の楽屋で、数人のメンバーが発声を始めた。
そんな中、俺は気付いた。
様々な音程が行き交う喧噪の中で、ちょっと異変がある奴に。
「⋯どした？体調悪いか？」
深「いや、だいじょぶ、」
「嘘つくな、すげえきつそうだぞ」
深「⋯なんでわかった？」
一応、メンバーには聞こえないようなボリュームで声を掛けた。
なんでわかった？って、そりゃわかるだろ。
どれだけふっかのことちゃんと見てると思ってんだよ。
「無理なら休んどけ」
深「無理じゃねえよ、皆9人のSnow Manを待ってるんだからさ」
「⋯ちゃんと水分補給してから出ろよ」
ふっかは自分が犠牲になったって、ファンの子を落胆させるようなマネはしない。
それはきっと、うちのメンバーなら皆そうだと思うけど。
人一倍責任感を感じやすいこいつのことだ。
いくら言ったって、出るって言い張るんだろう。
だからせめて水分だけは摂っといてほしいと、そう忠告しておいた。
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『それではSnow Manの皆さんでJUICYです。どうぞ』
今日生放送で披露するのは、よりによってJUICYのフル。
楽屋でもふらついてたのに、JUICYなんて大丈夫かよ。
そんな俺の心配をよそに、イントロが始まった。
俺の目線の先もちろんカメラ⋯ではなく、
さっきよりも顔色が悪くなっていたふっかの方。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月23日 23時
