14.ナミダの海を越えて行け ページ14
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渡「ふっかと照、このあと暇？」
深「なになに、どしたの？」
渡「目黒と飲み行くかって話してたんだけど、せっかくだし2人もどうかなって」
目黒と翔太のインタビューも終わって、そろそろ解散するかとなった頃、翔太が飲みに誘ってきた。
この4人で飲みなんて、珍しいな。
「俺は暇だから行けるよ」
目「ふっかさんは？」
深「俺も行く」
渡「よしっ！じゃあ店はもう決めてあるから行こう」
雑誌の取材が終わったからなのか、ハイテンション気味の翔太を先頭に楽屋を出る。
⋯ふっかの飲むのは、あの日以来だな。
渡「照車で来てるよね？」
「おう」
深「助手席は俺だからな〜」
目「分かってるよ、さすがいわふか」
諦めた途端に思わせぶりな態度をとるのはやめてほしい。
⋯俺だってさ、苦しいんだよ。
ふっかのことを忘れようったって、そんなん無理に決まってる。
何年想い続けてきたと思ってんだ。
「⋯ま、とりあえず乗れよ」
渡「お願いしまーth」
助手席にふっか、後部座席に翔太と目黒を乗せて走り出した。
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深「照これでしょ？」
「うん、それ」
渡「⋯あのさぁ」
俺の目の前に座る翔太が、何故か不穏な表情をしている。
口をムッとさせてるけど、いったいどうしたんだ。
渡「⋯お前ら、付き合っちゃえば？」
そんな言葉を聞いて後ろに手をつくと、偶然ふっかの手と重なった。
一瞬で離そうとしたけど、それはふっかによって遮られた。
「今度こそは」を期待した手が、熱を帯び始めた。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月23日 23時
