Be Dearest (ページ12)

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12.Sugar ページ12

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「⋯はぁ」

シャワーを浴び終わって、楽屋のドアノブに手をかける。
中から話し声は聞こえないし、もう皆帰ったよな。

「⋯まだ帰ってなかったのか」

佐「おかえり！照とちょっと話したくてさ」

誰もいない静かな楽屋の中には、佐久間がぽつんと座っていた。
⋯何考えてんだ、コイツは。

佐「最近どう？ふっかとは」

「⋯は？」

佐「にゃはは！なんだコイツって顔してんね」

⋯いや、そりゃ思ってるよ。
最近どう？なんて、学生の恋バナじゃあるまいし。

まさかとは思うけど、こいつ俺の気持ちに気付いてる訳じゃないよな？

「どうってなに」

佐「いやぁ、うちの最強シンメの2人がどんな感じか気になって」

「まあ⋯普通かな、この前一緒にドライブ行ったし」

佐「そ？それならいいんだけどさ！」

〝それならいい〟？
佐久間は一体何を懸念していたんだろう。

もしかして本当にバレているのか、と思うと一瞬で上がる体温。

佐「いわふかは円満じゃなきゃね」

にゃは、って笑う佐久間に、もう全てを話してもいいかもしれないと思った。

ひとりで抱えるには、この荷物は重すぎる。

「なあ、佐久間」

佐「ん？」

「⋯そろそろ、帰るか」

あと一歩の勇気で踏み出せそうだった言葉は、自分の不甲斐なさによって喉の奥にしまいこんだ。

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