Second Opinion

No.06 黄色のシルシ ページ6

〆．



彼は吸血鬼。

私に噛みついて、血を吸う。



「……ぷはっ、」

「吸いすぎ、もぉ、」



血を吸われすぎて貧血になることも多々あるんだけれど…

いや、この人さぁ。



「なんでいっつも手首から吸うの？」

「え」

「病んでる人だと思われるんだけど」

「やって、吸ってるとこ見られたいもん」



なにそれ？なにその癖(へき)？



「だとして、手首である必要ないよね。見えるとこやめて」

「なんでやねん！見えな意味ないやろ！」

「キスマってこと？普通は首か胸元なんだよ？」

「え、なに誘ってんの」

「絶対違うでしょ、今の会話の流れで」



この人めんどくさい。

人じゃなかったわ。だからっていいよとはならない。



「手首以外に選択肢ないかな？見えないとこ」

「やから！」

「じゃないと二度と吸わせない」

「………なんでやねん」



あ、拗ねた。



「なんで、噛んでるとこ見られたいんがあかんねん？それにキスマの一種やし男に見せつけなあかんやろ、ったく。AとAの血は俺のもんやって。てか最近血の量減ってへんか、貧血っちゅーやつ？俺の血輸血する？俺の血がAのナカ(意味深)に流れんの？やば」

「………………二度と吸うな」

「なんで？」



本当に理解してないのか。

さっきと反対側の手首に牙を立てたから、

そうなんだろうけど。



「言っても聞かないなら、蚊だわ」

「蚊！？」



〆．

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