Second Opinion

No.01 桃色のほふく前進 ページ1

〆．



望がほふく前進しながら私の足もとにやってきた。



「今度は何をしてるのかな？」

「はっ、A！！ほふく前進！たまたまほふく前進しててんっ！！！」



わざとらしい驚き方。あとほふく前進してるのは見てわかるよ。



「たまたまほふく前進してたんだね？そういう趣味があるのかな？」

「そう！たまたまほふく前進してたまたまAを見上げる趣味がある！」

「言っちゃってる言っちゃってる」



新手のスカートの覗き方だ。

もうそれなら堂々とめくられた方がマシなんだけど。

通報しようかな。

ダメだ、警察に「頭のおかしい彼氏を持つ女」だと思われる。



「何が見えた？」

「薄桃色の下着と俺専用の太もも……………あ"っ！！？」



バッチリ見てるなぁ。

あと望専用の太ももってなんだろうなぁ。



「望の名前書いてないと、誰かにとられちゃうかもよ？」

「え！！無理！名前書く！！」



いそいそと筆箱から油性ペン取り出してる。

いや、割と油性ペンって簡単に落ちるよ？お風呂入ったら。



「もっと違う方法知らない？」

「え、」

「望のお口使って」



まあ要するにキスマークってやつだけど、

なんでキスマークが妥協案みたいになってるんだ。



「…………あれ？そういうキスマークじゃないんだけど？」

「Aと同じメーカーの口紅やで？」

「そういう問題じゃなくて」



口紅だって余裕で落ちるし。

落ちるけど、もし望の体にそっちのキスマーク付けたら、

一生消えないように何かしそうだなぁ。



「………明日には消えてるから、また付けてくれる？」

「付ける！何万回でも！！」

「それは迷惑」



〆．

No.02 紫色と虫あみ→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す