【ωrωrd!】踏切の向こう側【短編集】

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「寝ないわ！」
「ひどい……」

震えた声を出して、女々しく頬を押さえるロボロ先輩に少し罪悪感が湧く。流石に強すぎただろうか。
そっと近づいて屈む。

「あの、すみません。強すぎましたか」
「……せやなあ」

がしり、腕を掴まれる。こいつ、嵌めやがった……！
出そうになる舌打ちをなんとか抑える。

「Aちゃんがちゅーしてくれたら治るかもなあ」
「いやほんと無理です離してください」

力が強すぎて振りほどけない。マッチョめ……！

「ちょっとだけだから！ ほっぺで良いから！」

何がこの人をここまで必死にさせるんだろう。軽蔑を通り越して憐憫の念を抱く。

「……分かりましたよ」

そっと、私のビンタで面布がずれたことによって露になっている頬に軽く、ほんの一瞬だけ唇を当てる。

「うわ……」
「しにがみ先輩？ うわってなんですか、うわって」

この場を収めるにはこれが一番速いんだよ。仕方ないじゃん。しにがみ先輩のためでもあるんですよ。
ロボロ先輩はといえば、キスをしてから反応がない、かと思えば突然声をあげる。

「みんな見た！？ Aちゃんがキスしてくれたの見たね！？」

……やっぱりキスするんじゃなかった。
大きくため息を吐いて、随分とはしゃぐロボロ先輩を見つめる。
……この人、私以外の女の子に言い寄ってるのは見たことないんだよなあ。しにがみ先輩を含め、同性の先輩にはよくセクハラをしていたり、変態性を見せつけているけど、私以外の女の子にそれをしているのは見たことがないのだ。クラスメイトのねがくんに訊いたから、そこは間違っていないはず。
計り知れない本心を信じきれていないせいで、未だにロボロ先輩のことが分からない。
しかし本当にこの人が私のことを好きだったら、なんてことを考えてしまうくらいには絆されてしまっている自分に呆れてしまっている。


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リク「人狼リーグrbr」
ありがとうございました！

ほんのちょっとの花心/em→←計り知れない/rbr

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