Story 8 ページ10
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「最悪だ」
普段は思ったことの大半を胸の内に留めておくAだが、この時ばかりはそうもいかなかった。
ホグワーツ行きの汽車が停まる九と四分の三番線に行くためにはまず九番線と十番線の間の壁を抜ける必要があるのだが、どういうわけだか通ることができないのだ。ハリーとロンが失敗した後、人目をひかないようにゆっくりと向かってみたが結局、赤煉瓦の向こうに抜けることは叶わなかった。
Aは眉をひそめて考える。こういう時の対策法は習っていなかったが、学校側からしても想定外の事態なのだから無理もないだろう。
残念ながら未成年者が学校の外で魔法を使うことは禁じられている。ましてやマグルの世界で使うなど言語道断だ。
そうだ、と彼は思い立つ。簡単なことだ。学校宛に手紙を書いてフクロウに届けさせればいい。ポッターかウィーズリーのどちらでもいいからフクロウ便を送ってくれれば……。
彼を援護するために言っておくが、Aは決して長々と思考を巡らせていたわけではない。考え始めてからハリーとロンのほうを振り向くまでにかかったのは僅か数秒である。
だが、そもそもAの存在に気づいていなかった／多くの人が行き交う駅／周りの好奇の視線から一刻も早く逃れたい思い／焦燥感。これらの条件が二人の少年を追い立て、Aが話しかけようとした時には既に彼らは姿を消してしまっていた。
「ああ、最悪だ」
あれから一旦��漏れ鍋��に戻り、なんとかフクロウを借りて手紙を送ることに成功した。一応ハリーとロンのことも書いておいたが、もしかしたらあっちはあっちで何とかやっているかもしれない。
「しかし災難だったね。まさか壁が塞がれるなんて、そんなこと聞いたこともないよ」
店主のトムの言葉に「こんなこともあるんですね」とAは苦笑する。不具合なのか、誰かのイタズラなのか。
Aは二階の部屋に上がり、本を開いた。だが、二ページに差し掛かった瞬間、バチンという音とともに予想外の人物が目の前に現れた。
「久しぶりじゃの、A。休暇は楽しめたかね？」
驚愕するAにダンブルドア校長は朗らかに笑いかけた。
続く
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真昼 - 私もスリザリンが一番好きです！ですから、サラザール・スリザリンの子孫でとても嬉しかったです！続きが楽しみです。最後まで応援しています(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2023年2月25日 14時) (
レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます！ 私もスリザリン大好きです！ 他の三寮と一線引いたあの独特な雰囲気が良いですよね♪( ´▽｀) (2022年8月18日 7時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - とっても面白いです！個人的にスリザリンが大好きなので嬉しい…これからの展開が楽しみです。1ページに内容がぎっしりと入っていて満足感が半端ないです。応援してます！ (2022年8月17日 22時) (レス) @page8 id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2022年2月16日 10時
