Story 2 ページ4
彼女はホグワーツ魔法魔術学校を首席で卒業した後に魔法省に務め、そこでも優れた才能を発揮した。魔法大臣にも信頼されていたが、魔法省の人間たちは彼女が裏で行なっていることを知らなかった。
ヘザーの家は街の喧騒から大きく外れた場所にある。両開きの鉄の門の奥に聳え立つのは赤煉瓦造りの豪邸で、実験用の部屋や地下室、使用人として働くしもべ妖精たちなど、彼女の必要とするものは全て揃っていた。
ヘザーはさまざまな魔法生物の交配種を生み出しては売っていったが、一方で長年飼い続けているものもいた。それはバジリスクという魔法生物である。別名『毒蛇の王』とも呼ばれるこの生き物は制御不能の魔法使い殺しを意味するXXXXXに分類され、呪文を逸らすほどの硬い皮膚と強い毒牙、そして鮮やかな黄色の目には目視した者を即死させる力があった。鏡や水面などで間接的に見た場合は命を落とすとまではいかなくとも石化し、解呪作用を持つマンドレイクの解毒剤でないと元に戻すことは不可能である。
尽きることのない好奇心と探究心はヘザーをあるまじき行為に駆り立てた。彼女は何と、バジリスクと人間の交配種を生み出したのだ。それがAである。
赤子の目が開き、
ヘザーは天井の高い広い部屋に姿見を用意するとAを鏡面と向かい合わせになるように椅子に座らせ、振り向かないように呪文をかけた。それから彼女はバジリスクを連れ、鏡越しに見つめ合わせてみた。驚いたことにAはまったく石化せず、直に目を合わせても何の変化も訪れなかったのだ。
ヘザーの死後、彼女の家には魔法省の人間が立ち入った。そのうちの二人はバジリスクと目を合わせたことで命を落としたが、腕利きの闇祓いによって危険な生物もまた亡き者となった。
だが、もう一頭の怪物は今もホグワーツに潜んでいる。地下牢よりも深く、暗い場所に。今も黒々とした硬い鱗を闇と同化させ、時折黄色の目を光らせていることだろう。
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真昼 - 私もスリザリンが一番好きです!ですから、サラザール・スリザリンの子孫でとても嬉しかったです!続きが楽しみです。最後まで応援しています(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2023年2月25日 14時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます! 私もスリザリン大好きです! 他の三寮と一線引いたあの独特な雰囲気が良いですよね♪( ´▽`) (2022年8月18日 7時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - とっても面白いです!個人的にスリザリンが大好きなので嬉しい…これからの展開が楽しみです。1ページに内容がぎっしりと入っていて満足感が半端ないです。応援してます! (2022年8月17日 22時) (レス) @page8 id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闍弥嵩 李 | 作成日時:2022年2月16日 10時