27話 ページ29
ん、今何時だろう…？
枕元で充電しているスマホの電源を入れると、パッと明るく光った
えっと…さんじ、3時！？！？！？
いやいやいや、さすがに早すぎるて
あと1時間は寝れたじゃん！！！！
はぁ…仕方ないな…荷物の確認でもしよーっと
えっと、
宿題、私服、水着、寝巻き……
よし、確認漏れもないし、大丈夫かな！
あ、塩分タブレット持ってこ
一番下の机の引き出しから、飴とタブレットを取り出して、小さなポーチにいくつか詰める
あとは…あーそーだ、兄さんの左手強化プログラムを母さんに渡しておかないとだね
昨日から合わせて何度目かの確認作業を終えると、時刻は3時半になっていた
ちょっと予定よりは早いけど支度しようかな
歯磨きと洗顔を静かに済ませ、髪を丁寧に整えてひとつに束ねると、足音を立てないように静かに部屋へと戻る
青学レギュラージャージに着替え、4時になったため朝ご飯の支度をしようと荷物を持ち、下へ降りることにした
ん？あれ、キッチンに明かりが点いてる？
母さんかな
玄関に荷物を置くと、ガチャりと扉を開いた
英毅｢お、起きてきたか｣
｢え、父さん？｣
英毅｢少しお前に話したいことがあったからな
桃子よりは上手くないだろうが、俺が作ったんだ｣
｢へぇ、父さん料理できたんだ。有難くいただくね｣
椅子に座って手を合わせ、いただきますと小さく口に出す
少し不格好な昆布と鮭のおにぎりと、ワカメとお豆腐のお味噌汁
ほうれん草入の卵焼き、それから塩鯖
私が野菜が好きだからだろうか
他に似合わないレタスとプチトマトのサラダが並んでいた
なるほど、母さんがアドバイスでもしたのかな？
とりあえずサラダから食べ、綺麗に食べ終わる
｢ご馳走様でした。美味しかったよ父さん｣
英毅｢おお！そうか、いやー、いつも母さんに任せきりだったから、料理なんて久しぶりにやったんだが、そう言って貰えて良かったよ｣
照れ隠しなのか、わかりやすいくらいに汗汗し始める父さん
｢それで、話って何？｣
英毅｢あ、あぁ。お前に渡しておきたいものがあってな｣
渡しておきたいもの？一体なんだろうか
昨日は置いてなかった箱をローテーブルの上に置くと、開いてみろと言われた
随分と箱も古いし、本当に何が入ってんだろ？
ハサミを使い、ガムテープを切る
少しワクワクしながら箱を開けると、そこには2本のラケットと一通の手紙が入っていた
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作者名：アメリア | 作成日時：2022年2月3日 1時
