14話 ページ15
英毅｢それにしてもAが楽しそうにやってるみたいでよかったよ｣
不二｢…？｣
吾郎｢あぁ、こいつ前の学校で浮いてたんだよな｣
菊丸｢Aちゃんが…！？桃の話だとクラスでかなり人気って言ってたにゃ｣
大石｢そうだな、女子生徒がファンクラブまで作ったみたいですし｣
桃子｢あら、この子ってば相変わらず同性にモテモテねぇ｣
｢ファンクラブ？そんなのあるんですか？｣
もしかして初日にFCを作ると言っていたのは、F(fan) C(club)だったってことか？
そんなもん作られるほど、私は美形でもなんでもないんだが
本人たちが楽しそうだったから、よく聞きもせず放置していたが、まさかファンクラブの事だったとは
不二｢同じクラスの人の話だと、初日に女子生徒が全員倒れた、とも聞きましたね｣
菊丸｢そうそう！写真みて、全員が倒れたから桃がびっくりしたって話だよねん｣
大石｢その他にも、うちの1年生ルーキーが1セットで負けた、なんてこともあったな｣
｢え、先輩方恥ずかしいんで色々暴露すんのやめてもらっていいっすか｣
なんか知らない間に学校での出来事めっちゃ話されてんだけど
耳があちぃ…
菊丸｢あー！Aちゃん耳が真っ赤だにゃー！かわいい〜！｣
｢いや、ほんとにこれ以上はやめてください…｣
不二｢なかなか見れない光景だね｣
｢あーもう恥ずかしいからお風呂行ってくる！！｣
食器を流しに片付け、水をつけてから部屋をでた
ほんとに恥ずかしかった、世の中みんなあんなのに耐えてるとか信じらんない
桃子｢あらやだ、あの子逃げちゃったわ〜｣
英毅｢まぁAが楽しそうでよかったよ｣
桃子｢そうね、学校で浮いてるんじゃないかと思っていたけれど、上手くやっていけているみたいでよかったわ｣
閉じられた扉を眺めながら、英毅と桃子は安心していた
実際、Aから学校であったことや、友達のことを聞いたことは無かった
それだけでなく、どうやら学校でも浮いた存在だったと吾郎から聞いていた
小さい頃からテニスと野球しかしてこなかったからAには、同年代の女子生徒たちが好むような話題は分からない
好きな人の話となっても、そんなやついない、で終わらせてしまう
そして、Aは同年代の友達なんていなかった
Aの友達は一つ上が多い
吾郎の友人たちもその一つで、如何せん男性といることが多かったこともあり、女子の話についていけるわけがなかった
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作者名：アメリア | 作成日時：2022年2月3日 1時
