青いエンジェル (ページ10)

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栗山監督に、詳しい仕事内容の説明を受けた。

89「宮崎キャンプからダルが参加することになってるのと、ドラゴンズ戦から他のメジャー組が合流するから、よろしく頼むよ」

『は、はい！頑張ります！』

89「じゃあ、そろそろ行こうか。山﨑さんには挨拶もしてもらいたいしね」

『う、みんなの前でですか？』

89「一言で構わないよ」

栗山監督の現役時代の話を聞きながら会場に戻った。

89「＿＿＿では、今回広報兼メンタルコーチとして私たちと共に参加してくれる山﨑Aさんに挨拶してもらいます」

監督からマイクを受け取る。皆知ってるけど話したことない人たちばっかりだな。後で話しかけよっと。

『えー、ただいまご紹介にあずかりました山﨑です。普段は横浜DeNAベイスターズの広報兼メンタルコーチをしています。えっと…何言えばいいのかな。こういう場で話すことがあまりないので少し緊張してしまっているんですけど…私は、皆さんなら世界一を獲れると思っているんですよ。冗談抜きに』

うーん。変な事言ってないかな。

『私は野球選手だったとか、そういうんじゃないんで…皆さんの視点から話すことはしません。でも、誰よりも野球選手の背中を見てきた人間として、皆さんの事をサポート出来ればいいと思っています。よろしくお願いします』

不器用だし、詰まり詰まりだったけど、言いたい事は言えた。皆に向かって深くお辞儀をする。メンバーの拍手と、どこからともなく聞こえた「よろしく！」という声が、私を受け入れてくれた。

ミーティングも終わり各々の時間になると、色々な人が私のもとへやって来た。

18「あのあの！めっちゃ会いたかったです！！」

29「交流戦ぶりですよね？」

『そうやね！私もめっちゃ会いたかった！パ・リーグの人たちってホントに話せる機会ないんだよね…』

29「朗希も話そう！」

後ろでもじもじする佐々木くんを手招きする宮城くん。

14「いや…俺なんかが話していい相手じゃないから……」

『何でよ笑佐々木くんもこっちおいで？』

一瞬だけ視線が合ったけど、すぐに逸らされた。
もしかして、私の事怖がってるのかな…？

14「ちょっといいすか。2人で話したいです」

目が真剣なもんだから、思わず頷いてしまった。

14「あの、俺、助けられたんです。Aさんのお父さんに」

『…どういうこと？』

彼曰くこうだ。
お父さんは佐々木くんを助けたあと、佐々木くんのお父さんたちを助けにさらに海沿いに行って、そのまま流された。

『…そうなん』