青いエンジェル (ページ9)

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こうして選ばれた侍ジャパン。今日は全員で集まってのミーティングの日。オリンピックのときとは少し違うメンバーでの出陣だけど、すごく楽しみだった。パ・リーグの人たちと関わる貴重な機会だ。昇太や秀悟にとっても良い刺激になるだろうし、私も、少しでも多くの事を吸収して横浜に持って帰りたいと思ってる。

『またまた個性の強そうなメンバーじゃね…』

21「ヤスさんがいなくて寂しいんでしょ」

『なっ…違いますー』

03「顔赤いですよー？」

『せせろーしいわ(うるさいわ)！』

ぎゃあぎゃあ歩いていると、目の前からもぎゃあぎゃあした人がやって来た。

55「ちょ、アカンすよ哲人さん！」

01「何だよいいじゃんムネー！」

うわ、こちょこちょしてるよ。大の大人2人が。

『何してんのよ』

55「あ、Aちゃん」

01「Aやんか。元気しとったか？」

村上へのくすぐる手を止めないまま、顔だけをこちらに向けている。

『元気でしたよ？ぴんぴんしてました』

01「今年はどうなりますかねぇ、セ・リーグは」

『さぁ？うちにはバウアーが来ますけぇね』

気まずい間のあと、えへへー、と笑いあう。

01「今度飯行こうな。勇人も一緒に」

『ぜひぜひ。もちろんおごりで』

哲人さんと別れてパ・リーグの選手たちのところへ向かおうとした時、スタッフの方に呼び止められた。

「山﨑さんですよね。栗山監督がお呼びです」

『分かりました』

こっそり会場を抜けて、ドアを閉める。ホールの喧騒がくぐもったものになった。

「憧れです、山﨑さん」

こちらをくるりと振り返った女性。フワッと香水のにおいがした。めっちゃ甘い香りなんですけど。

『え、えぇ？…ありがとうございます』

「私、今はアルバイトなんですけど。いつかベイスターズで働きたいって思ってるんです」

ゆるふわカールがゆらゆらと動いていた。名札には"東江"と書かれている。
……何て読むの？ヒガシエ？アズマエ？アマビエみたい。

『えー、入れるように頑張ってください！』

「ありがとうございます！では、こちらに監督がいますので」

何とかエさんはぺこりと頭を下げて戻って行った。

『失礼します。山﨑です』

89「呼び出してすまないね」

『いえいえ、もう…うわぁ、本物や』

オーラが凄い…大谷くんを口説き落として、前代未聞の二刀流を実現させちゃった人だもんなぁ。

89「ハハハ、活躍は稲葉さんから聞いてるよ」

『ありがとうございます』

89「では、詳しい話をしようか」

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