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『失礼しまーす……』

DB81「お、急に呼び出してごめんな」

番長は怒っている様ではないので、ひとまず胸を撫で下ろす。

DB81「早速本題なんだが……侍ジャパンに興味ないか?」

ん?侍ジャパンって、あの?

『昇太とか秀悟が呼ばれてる、あれ?』

DB81「それ以外ないだろう」

番長は、ハハハ、、と笑っている。怖いです、番長。

DB81「でだな。栗山監督から、Aに広報兼メンタルコーチとして来て欲しいというお誘いがあった。俺は行って欲しいと思ってるけど、最終的に決めるのはAだ。来週までに返事が欲しい」

『あ、はい』

それと、と番長は続ける。

DB81「もしかしてA、携帯修理かなんかに出してるか?」

『うん』

3日前くらいに、選手たちと同じようにトレーニングをしていたらスマホを踏んずけて壊してしまった。幸いプライベート用のスマホだったので、会社から怒られることはなかったのだが。
番長はそうかそうかと1人で納得している。そんなことを聞く理由を教えてください。
悶々としていると、次に番長の口から発せられた言葉は、耳を疑うものだった。

DB81「A、野球選手になってみないか?」

『…………は?』

マジで…………は?

DB81「女子侍ジャパンの監督に新井くんが就いたのは知ってるよな」

番長が言うに、貴浩くんから"選手"として帯同して欲しいというお誘いがあったらしい。というか、カープの監督と兼業で大丈夫なのかと心配したのは私だけじゃないはず。

DB81「ただ、電話をいくらかけても出ないから、こっちにかかってきたんだ。"僕、着信拒否されたんですかね"って涙声だったからちゃんと連絡してやりなさい」

なるほど。着拒されたんじゃないかと慌てふためく貴浩くんの姿が容易に想像できた。

『……で、さ。その女子の侍ジャパン?ってのに何で私が選ばれたの?』

DB81「…Aはな、実にそっくりなんだよ。投げ方も、打ち方も。まぁ要は、磨けば光るってことだ」

ふと、ペトコ・パークでのあの景色を思い出した。お父さんは、クローザーとして出る事は叶わなかったものの、リリーフとして役目を全うした。今まで外野で見る事しかなかったお父さんの本気のピッチングを真正面から見た、最初で最後の試合だった。
そのときやんわりと、こういう人を支えたいと思った。マウンドやバッターボックスに向かう人を送り出すことはしても、自分がまさかその立場になるとは思わなかった。でも___

『…どちらも、やらせてください』

野球が好きだから。

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きまぐれ(プロフ) - リュカさん» リュカさん!ありがとうございます! (5月22日 16時) (レス) id: 43ec8f9ef2 (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 応援してます! (5月19日 17時) (レス) id: 56c473763c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きまぐれ | 作成日時:2023年5月14日 10時

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