青いエンジェル

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"ベースボールの世界で、野球が頂点に立ちました！！"

実況「侍ジャパン！世界一奪還なる！！」



ねぇパパ。

パパは、この景色を見たんだね。

なんだかさ、すごく綺麗だよ。

パパに憧れてた翔平さんが、パパをも超えた人間に成長したよ。

お空から、見てるかな。




これがきっと、憧れるのをやめるってことなんだよね。

憧れを越える、ってことなんだよね。


『世界一、なったよぉ……パパ』

05「あ！泣いてる！Aちゃんが泣いてる！」
23「こら！あんまり大声で言うものじゃないですよ！」

皆の前では泣かないって、決めてたのになぁ。

16「ほらおいで！Aちゃん！」
翔平さんに腕を引かれて、メンバーの輪の中の中心に立たされる。そのまま、私の体が宙を舞った。あ、私…胴上げされとるんや。
それを理解するのに少し時間がかかって、上下する天井と、首にいつの間にかかけられていたメダルの重みが、優勝した、世界一なんだっていう実感を持たせた。

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55「うおぉぉ！！！シャンパンファイッ！！！」
『うん、うるさい』
21「何気に1番テンション上がってんの知ってんだからなぁ！！」
『ぎくっ……う、うるっさい』
だって、だって…やっとお酒が飲めるんだもん。"勝利の美酒に酔いしれる"って、カッコいいじゃん！！
『……2017年の憂さ晴らしじゃあ！！！』
シャンパンを思いっきり昇太にかける。
21「ぶわっ！！やめろぉぉぉ！！」
『あ”ぁぁぁ冷たいぃゃぁぁぁ！！！』
首元からTシャツの中にビールを入れられた。

47「うお！？楽しそうですねぇ！」
すかさず奎二カメラが寄ってくる。本来はそれ、私の役目なんですけど。
『ほらエース！エース！』
21「やめろー！！」
『決勝の先発俺しかいないじゃーんとか言ってました！！』
47「おっとぉ？大スクープですね！」
21「うるせぇA！！バラすな！」
さらにびしゃびしゃと水をかけられる。
『これがうちのエースなんですよぉ、WBC決勝の勝利投手です〜よろしくお願いいたします〜』
媚びるような笑顔をカメラに向けてそそくさとその場を去る。昇太はカメラに向かって変なパフォーマンスを披露していた。

03「デスター！シャー！」
01「シャー！デスター！」
03「ほら、Aちゃんも！デスター！シャー！」
『うわぁ！はいはい、デスターシャ！！ちょっと私行くとこあるから。それで、源田さんは何で正座で飲んでるんですか』
斜め前では茶室で酒飲んでるみたいになってる源田さんもいる。
02「日本人らしく落ち着いた心をと思ってね」
『ちなみに一番浮いてます』
02「えっ」

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