青いエンジェル

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日本時間3月21日の昼下がり、1人緊張している男がいた。

記者「栗山監督、明日の先発は誰なのでしょうか？」

89「明日の先発は昇太で行こうと思っています」

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21「おっふ……マジじゃん」

そう、ハマの投げる哲学者こと、今永昇太である。

『あれだけはしゃいでたもんねー。"決勝の先発、俺しかいねぇじゃーん！"とか言って』

21「やめろー！」

03「これで勝ち投手になったらベイスターズ史上初めてっすよ」

21「え、そうなの？じゃぁちょっと頑張っちゃおうかなぁ」

そうでなくても頑張れよ。昇太の働きに世界一かかってんだぞ。いや、別に昇太だけがってわけじゃないけど。

26「世界一になったら美味しいものいっぱい食べれるかな…？」

47「そうでなくとも美味いもんは普段からいっぱい食ってね…？」

奎二さん、私もそう思うんですけど。まぁ、宇田川くんは球場のおにぎりと唐揚げを心底美味しそうに頬張ってたもんね。可愛かったよ。

『それよかシャンパンファイトの方が楽しみだわ』

日シリ行けた時、私はまだ未成年だったから出来なかったんだよなぁ。青星寮の横で、康晃にジュース奢ってもらって2人きりで祝勝会をやったりもして。

16「こら、お楽しみはとっておきなさい。ベラベラ言うと何があるか分からないからね」
確かに。

21「ちょっと悠平さんと話してきます」

え、甲斐さんの可能性もあるよね？

10「いや、明日は多分悠平だな」

『そうなんですか？てか、なんで私の考えてること分かるんです？』

10「声に出てたけど」

『あ、すみません』

10「いやいいんだけどね。今永くんの球、俺あんまり受けたことないし、分かんなくて。その点悠平は、同じリーグで戦ってるから今永くんの投球を見る機会も多いじゃない？その分のアドバンテージがあるからね」

甲斐さんはその後に、あとアイツ、当たると飛ぶからなどとチョけていた。それは甲斐さんもなのでは…？

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『うわぁ、緊張してきた…』

27「Aちゃんが緊張してどうすんのよ」

今、ローンデポ・パークのブルペンにいます。

『だって、昇太1球も入ってないじゃないですか！全部ボールに逸れよる』

いつもの昇太のフォーム。でも1球もストライクゾーンに入ってません。かすってすらない。

21「やべぇ…マジで」

『本番になってケロッとストライク取れるのを信じるしかない、か…』

75「でも、今永くんは本当にいい球投げるねぇ」

ブルペンコーチの厚澤さんがそう太鼓判を押す。
どうだ。これがうちのエースですよ。
ちょっと怖いけど、昇太の方が緊張してるに決まってる。

『…昇太』

21「おう」

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