FAKE n LOVE (ページ9)

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彼女と友達(?)になってからというもの、彼女はちょくちょく俺のもとへ来るようになった。
べつに俺のことを好きというわけでもなく、ただ掃除をサボるなという注意ばかり。
基本はお互い、あまり干渉せずただのクラスメートという形のままだった。

それでも、俺はあまりベッタリとした友人関係は好まないので、案外心地よく、
だからといってまったく関わらないのも好きではないので、本当に気分がよかった。
彼女はどうかはわからないけれど、俺にとってはずっとこのままでいいように感じられていた。

そんないつの日かの、6限。

「えー、今日は雑談7割、授業3割でやっていこうと思う」

「そんなんでいいのー？」
「もう授業なくていいよ笑」
「えーせっかく準備してきたのにー！」

現代文の先生が、いきなりこんなことを言い出した。
丸めがねを右手の中指で知的に持ち上げて、細長い瞳をキラリと光らせた。
いいか…と先生がチョークをもち黒板に叩き連ねたのは、「복제인간(クローン人間)」という文字。
チョークをカタっとおくと、粉を手で払いまたメガネを持ち上げると教卓の机に手を付いた。

生徒はその文字に見覚えがあるのか、小さいどよめき声があがった。
「あ、知ってる」「アレだ」「テレビの？」「それ！」

実際、俺も彼らと同じようにあの文字に見覚えがあり、少し心臓がどきりとしていた。
嫌な予感の胸の高鳴りなのか、それとも経験を当てられびっくりしているのか、
今の俺にはわからなかった。

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