FAKE n LOVE (ページ3)

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ある金曜日。

放課後にナムジュンとラップ対決を約束していた日のことだった。
いつもどおり詰まらない授業が終わり、HRもなんとなくで過ぎ去り、掃除が始まった。
あいにく今日は当番だったが、俺はいつも協力しようとはしなかった。

掃除が嫌いなわけじゃない。
周りと行動するのが嫌なだけだった。

それが"彼女"の気に障ったのだろう。
濃いクリーム色の髪を垂らした彼女は、颯爽と帰ろうとする俺のもとへ殺気とともにやってきた。
振り向いたのがはやかったか、それともたどり着くのがはやかったか。

俺たちはここで初めて共有点を持つこととなった。

「ミンくん、ちゃんと掃除してもらえる？」

「…は？うわ、おい」

俺の手を掴むと、ぐいぐいと引っ張ってちりとりを持たせた。
枝のように細い腕のどこにそんな力があるのか。
嫌がる俺の空いた方の手に箒を掴ませ、自分でゴミを回収するようにさせた。

怒ったように眉をひそめ、まるでつくり物のように綺麗な色のくちびるを突き出して、
彼女はサボろうとする俺の腕をきちんと掴んでいた。

教室は、その光景にかそれとも言いなりになっている俺にか、はたまた両方にか。
どちらにせよ、尋常ではないオーラを察知すると、遊んでいた男子でさえ真面目に掃除をはじめる。

少し怯えたようにホコリを持ってくると、役目を終えたかのように走って逃げていく。

彼女はそんなクラスメートの様子すら気に止めず、ひたすら俺の手を握り続けた。

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