キミ注意報発令中。 Yuto.T (ページ10)

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#９ページ10

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ベッドに身を投げてやっと我に返る。

スマホを開けばたくさんの不在着信とメール。

その全てが髙橋さんからだった。

少し躊躇いながらも電話をかける。

優斗『…あっ、A！大丈夫か！？ごめんっ』

一気に耳に流れ込む言葉に戸惑う。

名前呼び。

いつもだったら「お前」なんて言うのに。

相当心配してくれたような声。

罪悪感がさらに積もってしまう。

『……ごめんなさい』

優斗『いやいや！俺が悪いから！』

『違うんです！その、私、昔、……っ』

優斗『…そういうのはね、無理して言わなくていいの』

『ごめんなさ、っ』

優斗『今回の件は生徒に暴言を吐いた俺が悪いってことで！』

『や、』

優斗『じゃあな！ちゃんと学校来るんだぞ！』

半ば強制的に切られた電話。

髙橋さんらしい不器用さが滲み出ていて。

でもそれが心を優しく包み込んで。

言葉の代わりに涙が溢れてしまう。

「髙橋さんのばか、」

まだ数日しか一緒にいたことなんてないのに。

髙橋さんを全部知り尽くしたような気持ちの自分がいる。

違う、知り尽くしてるんじゃない。

＿＿知り尽くしたいんだ。

色んな気持ちがグルグルと駆け巡って、流れる涙は後を絶つ気配がない。

私には飛貴くんがいるんだから。

約束は守らなきゃいけないんだから。

もうわかってしまったこの気持ちに蓋をする。

＿＿＿＿＿＿また明日、笑顔でキミに会えるように。

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