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みんなの視線から逃げるように教室へ入る。
このクラスに私の居場所なんてない。
１時間目の英語の小テストの勉強をすることでなんとかその現実から背を向ける。
英語の小テストみたいに努力すれば身を結ぶものなんてそう多くはない。
？「Aー」
こんな私に用がある人なんているのか。
耳がおかしくなったのかもしれない。
そう思って教科書に目を戻そうとしたその時。
？「Aー、無視ー？」
肩を叩かれやっと自分が呼ばれていると確信する。
「なに、」
飛貴「やっほー」
「何の用？」
飛貴「用とかはないけど」
「じゃあなに？」
飛貴「話したいから、じゃあダメなの？」
飛貴くんの口から放たれた言葉は私に久しぶりの感覚を与えてくれた。
私を、必要としてくれた。
周りの人にとっては当たり前かもしれないことが私にとっては嬉しくて。
「ううん、何話すの？」
飛貴「話す時に内容って事前に決めておくものなの？」
「え、わかんない」
飛貴「なんか流れに任せるって感じじゃん？(笑)」
「そっか」
やっぱり飛貴くんと話してるとあっという間に時間が流れる。
魔法、みたい。
それから毎日私の教室に遊びに来てくれるようになった。
毎日一緒にお弁当を食べるようになった。
そこまで鈍感ではない私は、もう自分の抱いている感情に気づいていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿飛貴くんが好きなんだ、って。
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作者名：バナナオレ | 作者ホームページ：https:/twitter.com/?logout=1554760902666
作成日時：2019年5月3日 15時
