(無題) (ページ2)

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「……はーーやーーてえええええ！！」

教室の扉を思い切り開き、教室で待ってくれてた幼馴染みの颯に抱きつく。

「わっ、びっくりしたぁ、おかえりA」

彼とは生まれた時からの良縁で一緒にいるのが当たり前のような存在だ。だからこうして私から抱きつくのも日常茶飯事のようなもの。

「ねぇ、颯。わかってたけど、苦しいや」

「…Aは優しいね」

「優しくないよ。応援しといて、二人が上手くいったの見て嫌な事ずっと考えてるんだもん。別れてしまえって。私、嫌な人間だよ」

颯は大きな手でずっと私の頭を撫でてくれる。今優しくされちゃうと、我慢してたのが全部溢れてきそう。でも颯はそんな私の気持ちもお見通しなんだろうな。

「私も洸希の事、ずっと好きだったんだよ…」

「でも、なっちゃんが…親友も同じ人好きになっちゃうなんてさ」

「なっちゃんの事も大好きだから、幸せになってほしかったから」

「だけど…悔しいよ、なんで私じゃないの…」

ずっとためてた負の感情が雪崩のように出てくる。ほんとに嫌な人間だな、私。それでも颯はずっと撫でてくれる。我慢できなくなって涙もぼろぼろ流れてくる。きっとぐちゃぐちゃでみっともない顔してるんだろうな。

私の片想いは実を結ばぬまま今日、終わりを告げた。