story97 「ごめんなさい」 ページ48
〜貴方side〜
夜になり、ユエルンが居なくなった部屋で俺は一人窓の外を見ていた。
多分、そろそろ外が騒がしくなる頃だろう。
どうして此処まで準備が良いのか、ユエルンは俺に銃と銃弾を置いて行ってくれた。
次、アッシュに会った時に俺はどんな顔をして話をするんだろうか。
というか、口を利いてもらえるのだろうか。
不安なことも、
想像したくない現実も、
考えれば考えるほど思い浮かぶ。
でも、
それでも、
俺にはまだ、此処でやらなきゃならないことがある。
「そろそろかな」
その呟きと同時に、屋敷内に警報が鳴り響く。
アッシュが逃げるんだろう。
俺は銃と銃弾を持ち、部屋の暗証番号を開け扉の外に出る。
見張りをしていた男を気絶させ、そのまま一つの目的地へと向かった。
そこは……
「居た……」
ショーターにBANANAFISHを打った張本人。
エイブラハム・ドースン。
逃げる準備をしている彼にそっと近づき、俺は後ろから銃を突きつけた。
「ヒィ！」
「まさか、あんなことしといて逃げるつもり？おにぃさん」
「き、君は……」
俺を見て、這うように後ろへと下がる男。
敵はきっとアッシュが取りたいはずだ。
俺が此処で殺すのは筋違い。
ならどうする。
実験台に置かれているショーターだったが、俺が銃弾を撃ちこんだことで調べることが出来なかったのだろう。
手を付けられないまま寝かされている。
ショーターをどうにかしたい。
けど……。
目を逸らした隙に逃げられたらシャレにならないし……。
「そんな難しそうな顔をしなくても大丈夫ですよ。私がお手伝いします」
聞き覚えのある声が聞こえ扉の方を見ると、そこには笑顔を浮かべたユエルンが。
「何してんだよ」
「少しその方にお話があったので、Aさんはご自分のやりたいことをどうぞ」
「……あぁ。絶対逃がしたりするなよ」
「分かってます」
ユエルンと交代でエイブラハムから離れた俺は、無造作に置かれたショーターの服やサングラスを取り、実験台の上で横になる彼に近づいた。
頭には俺が撃ちこんだ銃弾の跡がある。
先にそれを包帯で隠し、その後冷え切った体に服を着せる。
「ショーター……」
此処に来るまでの間握っていた温かいはずの手は氷の様に冷たくなっている。
ごめん、本当にごめん…なさい。
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あーー(プロフ) - 更新うれしいです！！次の更新も楽しみにしてます！！！！！ (2020年6月24日 18時) (
レス) id: a1e0615f33 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - リフリフさん» そう言って貰えると凄く嬉しいです！BANANAFISHの沼に体全体で入り込んでしまった民なので、この作品を書けて凄く嬉しいんですよ！いつも応援本当にありがとうございます！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
リフリフ(プロフ) - いつも素晴らしい投稿ありがとうございます。いつも作品楽しんで見させて頂いてます。!次回の投稿もとても楽しみです！作品制作頑張ってください！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: dbff0995a0 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - 恋雪さん» なんと！胸が高鳴るのは、嬉しいお言葉です！！BANANAFISHを知っている人が私の周り少ないので、こうして小説を読んで下さる方がいて、とても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - しおさん» 何度も読み返して下さっているとは！感激で涙が出ます！主人公とアッシュのこれからを是非お楽しみ下さい！ (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
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