story83 「捨ててしまおう」 ページ34
実の所、最近のアッシュの行動や俺に向けてくれる眼差し、言葉、全てが何処か特別に見えていた。
もしかしたら、未来が変わってアッシュの隣に居れるのは俺なんじゃないかと期待していた。
馬鹿だったんだ。
叶わない夢を望んでしまったんだ、俺は。
綺麗な姿で彼の隣に居る未来を一人で描いていた。
浅はかだった。
刑務所に入れられた時、ゴルティネを倒す計画に失敗して逃げた時、俺は自分自身の手を汚すのを恐れていた。
自分は英二の様に弱いのだと、自分を”偽って”きた。
無意識に俺自身が英二になろうと意識していたんだろか。
でも、もう目を逸らせない。
本当の俺はこんなんじゃない。
前世の記憶。
俺が生まれた環境は、普通の一般家庭とは違った。
例え愛されていなくても、裏社会の人間ならあらゆるスキルは学ばされる。
でも俺は弱虫だから、何も知らないと目を瞑り、
何も聞こえないと耳を塞ぎ、
今まで笑って生活してきた。
でも、そんな俺の意志とは真逆に体は全てを覚えてる。
それが今までも出来事で少しずつ表へと出てきた。
もう逃げられない、
目を逸らせない、
俺は英二の様に、アッシュに愛しては貰えない。
それなら、
それならいっそのこと、
「前、ラウンジで俺が言ったこと覚えてる？」
「あぁ……」
「あれ、本気だから」
ショーターの腕の中にいる英二の髪を撫でる。
偽りで塗り固められた俺という存在。
覚悟を決めたと言いながら、アッシュに縋りついていた弱い俺はもう捨てよう。
もう全部いらないんだ。
馬鹿みたいな、淡い期待なんて持たない。
俺の目的は、今も昔も変わらない。
アッシュが生きている未来を作る。
その為なら、
「化け物にでも、なってやる」
〜ショーターside〜
「化け物にでも、なってやる」
隣でそう呟いたAの顔には、いつも浮かべている笑顔は無く、眩しいくらいに輝いていた瞳もくすんでいる様に見えた。
どうなっている。
「A」
「なに？」
俺を見上げた瞳には、まだ少しだけ光が見える。
今にも消えそうなか細い光が。
「今、何を考えてる」
「ん？ショーターに奢ってもらう肉を何にするか、かな？」
そう言って力なく笑うAの顔を見ながら、俺は感じた。
コイツの中で何かが変わろうとしてる。
大切な、
残しておかなければいけない何かが。
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あーー(プロフ) - 更新うれしいです！！次の更新も楽しみにしてます！！！！！ (2020年6月24日 18時) (
レス) id: a1e0615f33 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - リフリフさん» そう言って貰えると凄く嬉しいです！BANANAFISHの沼に体全体で入り込んでしまった民なので、この作品を書けて凄く嬉しいんですよ！いつも応援本当にありがとうございます！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
リフリフ(プロフ) - いつも素晴らしい投稿ありがとうございます。いつも作品楽しんで見させて頂いてます。!次回の投稿もとても楽しみです！作品制作頑張ってください！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: dbff0995a0 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - 恋雪さん» なんと！胸が高鳴るのは、嬉しいお言葉です！！BANANAFISHを知っている人が私の周り少ないので、こうして小説を読んで下さる方がいて、とても嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - しおさん» 何度も読み返して下さっているとは！感激で涙が出ます！主人公とアッシュのこれからを是非お楽しみ下さい！ (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
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