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story52 「強奪」 ページ3

〜貴方side〜
あれから笑顔を作る元気も、話す気力も無く俺は毎日を過ごした。



釈放された今日だって、久しぶりに英二の顔を見れて嬉しかったのに、それを言葉にしようとはどうしても思えなかった。




誘導されるがまま、俺達はチャーリーの車へと乗り込み、署へと向かった。





「ごめんアッシュ。僕がドジで後をつけられたりしたから」

「英ちゃん……」




お兄さんが亡くなった話を聞かされたアッシュは窓の外を見ながらずっと口を抑えたまま動かない。




「大丈夫か?」

「気分が悪い、止めてくれ」




そう言われたチャーリーは、ゆっくりと車を端に寄せ車を停車させる。



これも全部、アッシュの作戦通り。



この後、拳銃を奪って車を強奪するのがストーリーの流れだ。





「悪いな、二人とも。車から出てくれ」




アッシュは銃をチャーリーに向けながら俺たちに支持をだす。



俺も英二と一緒に車を降りようとしたのだが、




「A、お前は乗ったままでいい。座ってろ」

「……え」

「悪いが、お前は手放せない。一緒に来てもらうぜ」




アッシュはチラリとこちを見て小さく笑顔を見せた。



アッシュが俺を必要としてくれてる。




それなら、少しでも役にたちたい。




俺は後部座席から、運転席へと移動しエンジンをかけた。



「アンタのお喋りな友達に聞くんだな」

「マックスか……あのバカ。兎に角落ち着け、犯人はオーサーの一味だって分かってる」

「そんなことは関係ない!これは俺自身の問題だ」




アッシュとチャーリーの睨み合いが続くなか、俺と目が合った英二がそっと後部座席へと乗り込んだ。



英二がいないとアッシュは駄目だから。



「え、英ちゃんん?!」



伊部ちゃんの驚きの声と共に俺は一気にアクセルを踏んだ。


車が勢いよく発進し、左右に大きく揺れる。



そして、そのまま俺たちは当てもなく車を走らせた。






途中で英二と運転を変わり、俺は後部座席で外を眺めていた。



今は助手席で足を組んで座るアッシュに英二がお兄さんが撃たれた時のことを謝りながら話している。



アッシュの「降りろ」という言葉にも耳を傾けず、ずっと。




「日本人てのはマゾじゃないのか。何でも自分のせいにしたがるんだな。はぁ、好きにしろ」

「ホント?!じゃ、一緒に居て良いんだね!」



そう嬉しそうアッシュに詰め寄る英二の姿を俺は目を細めて見つめた。

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あーー(プロフ) - 更新うれしいです!!次の更新も楽しみにしてます!!!!! (2020年6月24日 18時) (レス) id: a1e0615f33 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - リフリフさん» そう言って貰えると凄く嬉しいです!BANANAFISHの沼に体全体で入り込んでしまった民なので、この作品を書けて凄く嬉しいんですよ!いつも応援本当にありがとうございます! (2020年6月23日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
リフリフ(プロフ) - いつも素晴らしい投稿ありがとうございます。いつも作品楽しんで見させて頂いてます。!次回の投稿もとても楽しみです!作品制作頑張ってください! (2020年6月23日 18時) (レス) id: dbff0995a0 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - 恋雪さん» なんと!胸が高鳴るのは、嬉しいお言葉です!!BANANAFISHを知っている人が私の周り少ないので、こうして小説を読んで下さる方がいて、とても嬉しいです!ありがとうございます! (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
沖田さくら(プロフ) - しおさん» 何度も読み返して下さっているとは!感激で涙が出ます!主人公とアッシュのこれからを是非お楽しみ下さい! (2020年6月20日 19時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田さくら | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月30日 19時

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