GIRLS FILE(５) ページ7
どうやら夏芽は、元々綾瀬のファンであったらしい。
劇団がまだ無名だった時の事を正確に覚えている辺り、相当熱心に追ってくれているのだろう。
一生懸命に話す夏芽の言葉に、そんな事は無いと謙遜するのも憚られて、綾瀬は何も言わず頷く。
「最初はこの番組にも、友達に勧められたからオーディションを受けたってだけだったんです。
でも、綾瀬さんがバチェラーだって聞いた時、迷いなんて無くなっちゃいました。
私は見ての通り平凡で、綾瀬さんとは対極で……だから、もし綾瀬さんと特別に関われる機会が
あれば、私も変われるかもしれないって……思って」
ずっと憧れてたんです、と付け加えて夏芽は続けた。
「この時間を通してこんな自分を変える事が出来れば、自信を持って綾瀬さんに好きになってもらいたいって思えるかもしれないんです」
言い終えて、夏芽はふぅと息をついた。
「長々とすみません。でも、一番最初に会う時にどうしてもお伝えしたかったんです」
「いや、話してくれてありがとう。それだけの覚悟を持って来てくれたのが分かって、嬉しかったよ」
物静かなイメージを早々に覆された。
夏芽に対し特別な興味が湧いたのも事実だ。
では失礼します、と丁寧に頭を下げて去ろうとする夏芽に、綾瀬は思わず声を掛けてしまった。
「この後のカクテルパーティーなんだけど、話す時間……取れないかな」
夏芽は足を止め、驚いたような顔をして振り返った。
「え、あのっ……良いんですか？」
「うん。もっと君の事、知りたいって思ったんだ」
それを聞いた夏芽は、気恥ずかしげにはにかんで頷いた。
「はいっ。もちろんです」
見るからに嬉しそうな顔になって手を振る夏芽に、何となく微笑ましい気持ちを感じながら手を振り返す。
確固たる目的を持ってここへ来た彼女に対して、心が動かされてしまった。
だが、夏芽にばかり気を取られてもいられない。
次の女性と万全の体勢で向き合うためにも、今は心を切り替えるのが最優先だ。
『茅原夏芽(21)／大学医学部生』
ーーーーーーー
バチェラーハウスの控え室に向かう道中、夏芽は何度も綾瀬の言葉を思い返していた。
話す時間を取れないか、という言葉に舞い上がってしまう気持ちと不安な気持ち、どちらもある。
あの短い時間で夏芽に対し何かを感じてくれたのは確実だが、最初の印象が良かっただけに次顔を合わせるのが不安だ。
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亜月 - aicoさん» ひゃぁぁあありがとございます、、、(歓喜)頑張ります……めちゃくちゃ亀投稿になりますが愛は込めます……() (2021年10月26日 23時) (
レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
aico(プロフ) - めちゃくちゃ面白そう！！！！更新待ってます〰️💖 (2021年10月23日 2時) (レス) @page1 id: c055a15964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九重 | 作成日時：2021年10月2日 19時
