GIRLS FILE(３) ページ5
「……うん、見蕩れてくれたみたいだね？」
開口一番そう呟いた彼女に、綾瀬は少し遅れて反応した。
「あぁ……凄く綺麗で驚いた。プロの方？」
「まぁね。ショーモデルの仕事で海外に飛んでたクチだから、これくらいは出来ないと」
その言葉に、綾瀬はあぁと頷いて納得する。
彼女の超然とした雰囲気は、明らかに人前へ出るため作り上げられた物だ。
彼女は得意そうに頬を緩め、綾瀬を見上げた。
「綾瀬さんなら、職業柄そういうとこ見てくれるんじゃないかなって思って。頑張ってみた」
「確かに……結構気にするかも」
なるほど、綾瀬のパーソナリティを把握した上での事だったらしい。
綾瀬はこの場が完全に女性達との初対面であり、彼女らの人となりは一切分からない状態だ。
しかし、女性達の方は綾瀬がバチェラーである事を知った上で参加オーディションを受けるパターンがほとんどらしい。
バチェラーという存在にでは無く、綾瀬自身に対してアプローチを仕掛けてきてくれた事に、どこかくすぐったいような高揚感を覚えてしまう。
それも、相手がここまで常識離れした美人ともなればなおさらだ。
所作にばかり気をとられていたが、彼女の外見を改めて見て気づく。
さっき対面していたキャロルと比べれば多少幼さはあるが、逆に日本人らしい可愛らしさが際立っているとも言えるだろう。
キリッと引き締まった目元は、どこか中性的な空気も漂わせている。
「……そうだ、まだ名乗ってなかったね」
まじまじと顔を見られるのがだいぶ恥ずかしかったらしく、彼女は若干頬を染めて顔を背けながら沈黙を誤魔化した。
「あ、あぁ、ごめん……名前は？」
綾瀬も慌てて頭を下げ、自己紹介を促す。
彼女はコホンと咳払いを一つ、そして改めて顔を上げた。
「白上蛍。23で、一応まだ学生」
『一応』とつけたのは、仕事の影響でほぼ休学状態だかららしい。
元々は雑誌のモデルから始めたとだけ蛍は話したが、そこから日本を出て仕事をするまでになるにはかなりの苦労を要する。
終始クールな涼しい顔を保っている印象の蛍とのギャップが見えて、綾瀬は密かに感心のため息をついた。
蛍は一通り話し終えたようで、ちらとバチェラーハウスを見てから綾瀬の方に向き直る。
「じゃ、ボクはそろそろ行こうかな。この後もよろしく」
ひらひらと手を振り、蛍はバチェラーハウスの向こうへ消えていった。
綾瀬は蛍を見送り、まだリムジンの来ていない前方を見る。
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亜月 - aicoさん» ひゃぁぁあありがとございます、、、(歓喜)頑張ります……めちゃくちゃ亀投稿になりますが愛は込めます……() (2021年10月26日 23時) (
レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
aico(プロフ) - めちゃくちゃ面白そう！！！！更新待ってます〰️💖 (2021年10月23日 2時) (レス) @page1 id: c055a15964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九重 | 作成日時：2021年10月2日 19時
