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「君も僕と同じだ。自分が生まれた理由を確信しているよね？ そして、そのためなら命をかけても良いと思っている」
野坂さんの迫力に、圧倒される、身体がきしむ。
それでも、私がここで折れるわけにはいかないから。
「私がここにいる理由が、欠陥システムを世に出すことではないのは、明らかです」
わざと突き放すような言い方をした。
ていうか、と、続ける。
「あなたの生まれた理由なんか、私には知ったこっちゃない。今ここでその足を折ってでも、次の試合、あなたを欠場にする」
「そんなことをしたら、君のサッカー人生に傷がつくよ」
「そんなの、二人で口裏を合わせるさ」
エスカバ先輩が、ニヤリと笑ってそう言った。
そうだな、それが良い。シュートが大きく外れて野坂さんにあたってしまった、不幸な事故ということにでもしよう。
「それは、西蔭のためかい？」
首をかしげ野坂さんが聞いてくる。
「それはわからないです、自分でも何がなんだか。でも、１つ言えます。人類が進歩して、世界に幸せが満ちても」
一旦区切って、息を吸う。野坂さんに向き合って、言う。
「野坂さんが幸せにならないと、だめです」
私の言葉に、野坂さんは目を見開いた。
そういうことだ、と、エスカバ先輩。
「変わったあとの世界には、野坂君。あんたが必要なんだ」
「誰かを置き去りにするようなシステムが世界を変えるだなんて、なめてるってことですよ」
私達が続けざまに喋り、野坂さんは目を細める。
「大丈夫、野坂さんさえじっとしてくれれば、あんまり痛くせずに折れますから。エスカバ先輩は生物５ですから」
「綺麗に折れるから、今後のサッカー人生には影響ないぜ」
ボキボキ指を鳴らしながら言う、そんな私達二人を見て野坂さんは、ハア、とため息をついた。
「僕には時間がない」
「そうですね」
「手術のタイムリミットまで、時間がない」
「そうですね………は？」
え、どういうこと？ 手術のタイムリミットまで？ エスカバ先輩と、顔を見合わせる。
「大丈夫。死なないよ」
野坂さんが、ニコニコと笑いながら言った。
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マトリックス(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！(^o^) (2020年7月28日 16時) (
レス) id: 42c58f3b28 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 初コメ失礼します！一気に読んでしまいました……すごく好きです。もう本当に好きです！！！！(語彙力) (2020年7月27日 21時) (レス) id: f8911c1a4d (このIDを非表示/違反報告)
神田・スカーレット(プロフ) - なんだろう……この言い表せない気持ち……これからも皆でラーメン食べに行ったりしてほしいですねぇ〜 (2020年3月6日 11時) (レス) id: 89620096b1 (このIDを非表示/違反報告)
マトリックス(プロフ) - Folmoさん» 最後まで読んで下さってありがとうございました！途中更新しない期間もあったのに…と思うと本当に感謝の気持ちでいっぱいです！コメントも嬉しかったです！本当にありがとうございます！！！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: 42c58f3b28 (このIDを非表示/違反報告)
Folmo - 完結…！最後かなりドキドキしながら読んでました。スーパーハピエン…幸せ…投稿お疲れ様でした。本当にいいもの読ませていただきました…！！ (2020年2月27日 4時) (レス) id: eaab8f82b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マトリックス | 作成日時：2020年2月23日 0時
