虎の正体 ページ10
夜のとある倉庫
太宰は倉庫の中で、木箱に座り「完全自 殺読本」を読んでいた。
それを見た敦はうげっ、と顔をしかめる。
「……本当にここに現れるんですか?」
「本当だよ。心配いらない。
虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えても『武装探偵社』の一隅だ。」
「Aさんは…?女性にこんなことさせられないですよ…」
『私も大丈夫ですよ。こう見えて、戦闘もできますので。』
敦はそれを聞いて驚く。やはり、彼女は武装探偵社にいるだけあり、見た目からは想像もつかなくても戦闘もできるのだと…
「はは、凄いですね、自信のある人は。僕なんか、孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われてて…
そのうえ今日の寝床も明日の食い扶持と知れない身で
こんな奴がどこで野垂れ死んだって…いや、いっそ喰われて死んだ方が…」
「却説____
そろそろかな」
太宰がそう云った瞬間
ガタン
倉庫内に物音が響く
「今……そこで物音が!」
「そうだね」
「きっと奴ですよ太宰さん、Aさん!」
「風で何か落ちたんだろう」
「ひ、人食い虎だ…僕を喰いに来たんだ!」
『落ち着いて、敦くん。虎はあんな所からは来ませんから』
「ど、どうして判るんです!」
「そもそも変なんだよ敦くん。
経営が傾いたからって養護施設が児童を追放するかい?大昔の農村じゃないんだ。いや、そもそも経営が傾いたんなら一人二人追放したところでどうにもならない。半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ。」
「太宰さん、何云って…」
そこで、敦の瞳に月が映る
その光は、敦の心を揺らした
「君が街に来たのが二週間前虎が街に現れたのも二週間前。」
ドクン、ドクン
敦の鼓動が速くなる___そして体も熱くなる
「君が鶴見川べりにいたのが4日前、同じ場所で虎が目撃されたのも4日前。
国木田君が云っていただろう。『武装探偵社』は異能の力を持つ輩の寄り合いだと。巷間には知られていないがこの世には異能の者が少なからずいる。
その力で成功する者もいれば_____」
もう、彼は太宰の話を聞いてはいない。
___それでも太宰は止めなかった
「力を制御できず、身を滅ぼす者もいる。大方、施設の人は虎の正体を知っていたが君には教えなかったのだろう。
君だけが、解っていなかったのだよ。
君も異能の者だ。現し身に飢獣を降ろす月下の能力者____」
目の前にいるのは、紛れもなく
人食い虎だった
解決?→←イメージ画 ※イメージ壊したくない人は飛ばしてください
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Divan’ Arc-en-ciel(プロフ) - おぉぉぉぉおおお!!!続編!!!おめでとうございます!!!!応援頑張って下さい! (2017年6月12日 19時) (レス) id: 3b636005a9 (このIDを非表示/違反報告)
オタオタhshs(プロフ) - すごい面白いです(〃艸〃)芥川さん落ちに1票入れさせて頂きますm(_ _)mこれからもぜひぜひ頑張って下さい! (2017年6月12日 18時) (レス) id: d63ff6d4cd (このIDを非表示/違反報告)
はやし(プロフ) - この作品に惚れました。(何言ってんだ)貴女様の谷崎君可愛すぎます。これからも頑張って下さい!応援しております。 (2017年6月9日 17時) (レス) id: 3e69f8f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
千南.*・゚.゚(プロフ) - オチは谷崎さんでお願いします とっても面白いです! これからも更新頑張ってください! (2017年6月7日 21時) (レス) id: f71cdd405e (このIDを非表示/違反報告)
下野ゆき(プロフ) - 落ちは4番でお願いします。ではこれからも更新がんばって下さい! (2017年6月7日 18時) (レス) id: d03d38ff75 (このIDを非表示/違反報告)
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