茶漬けがつがつ ページ6
敦side
がつがつ
僕はいま、目の前の茶漬けにここぞとばかりにがっついていた。
「おい太宰。早く仕事に戻るぞ。
仕事中に突然「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった。」
「国木田君は予定表が好きだねえ」
その言葉に反応した国木田さんは、バンっと机を叩き
「これは予定表ではない!!理想だ!!我が人生の道標だそしてこれには『仕事の相方が自 殺嗜癖』とは書いていない」
「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
「五月蝿い。出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」
「んぐむぬ?」
「だから仕事だ!!俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を____」
『貴方たちなんで会話できるんですか?』
「はー食った!
もう茶漬けは十年は見たくない!」
「お前……」
僕は満足するまで茶漬けを食べた
「いやほんっとーに助かりました!孤児院を追い出され横浜に出て来てから食べるものも寝るところもなく……あわや斃死かと」
「ふうん、君、施設の出かい」
「出というか……追い出されたのです。経営不振だとか、事業縮小だとかで」
「それは薄情な施設もあったものだね」
『世の中も厳しくなったものですね。』
「おい太宰、A。俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」
「お三方は…なんの仕事を?」
「なァに……
探偵さ」
「探偵といっても猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」
『武装探偵社』
聞き覚えがあった
曰く、軍や警察に頼らないような危険な依頼を専門にする探偵集団___
昼の世界と夜の世界
その間を取り仕切る薄暮の武装集団
なんでも『武装探偵社』の社員は多くが異能の力を持つ『能力者』と聞くが____
僕がそんなことを考えていると
ふと太宰さんが僕の少し上を見た
「あの鴨居、頑丈そうだね……たとえるなら、人間1人の体重に耐えられそうな位」
「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな!」
「違うよ〜首吊り健康法だよ〜知らない?」
「何、あれ健康にいいのか?」
本当かなあ…
と、太宰さんの言葉にそんなことを考えていると
『国木田さん、何でも信じちゃダメですよ。そんな健康法、ないと思います…』
どうやら嘘だったらしく、Aさんと呼ばれる女性は彼に呆れたように云った。
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Divan’ Arc-en-ciel(プロフ) - おぉぉぉぉおおお!!!続編!!!おめでとうございます!!!!応援頑張って下さい! (2017年6月12日 19時) (レス) id: 3b636005a9 (このIDを非表示/違反報告)
オタオタhshs(プロフ) - すごい面白いです(〃艸〃)芥川さん落ちに1票入れさせて頂きますm(_ _)mこれからもぜひぜひ頑張って下さい! (2017年6月12日 18時) (レス) id: d63ff6d4cd (このIDを非表示/違反報告)
はやし(プロフ) - この作品に惚れました。(何言ってんだ)貴女様の谷崎君可愛すぎます。これからも頑張って下さい!応援しております。 (2017年6月9日 17時) (レス) id: 3e69f8f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
千南.*・゚.゚(プロフ) - オチは谷崎さんでお願いします とっても面白いです! これからも更新頑張ってください! (2017年6月7日 21時) (レス) id: f71cdd405e (このIDを非表示/違反報告)
下野ゆき(プロフ) - 落ちは4番でお願いします。ではこれからも更新がんばって下さい! (2017年6月7日 18時) (レス) id: d03d38ff75 (このIDを非表示/違反報告)
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