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数日後、ゲームの内容通り、土蔵で山崎さんが亡くなった。
平助はすぐに現場に向かい、私は山崎さんの姿を一目みて来たところだった。
それにしても、いつ見ても人が亡くなったのを見るのは慣れない。
というか、慣れたくないけど。
土「三浦君、ちょっといいかな。」
土蔵から離れようと歩いていると、少し先の方で土方さんに声をかけられた。
「はい、大丈夫ですけど…なにか?」
土「Aさんは元気かな?」
「…はい、元気だと思います。」
土「彼女に会いたいのだけれど、時間を作ってくれないだろうか?」
女性の姿でしか話せない…ってことだよね。
「それなら今晩、寺田屋に来てください。彼女には私の方から伝えておきます。」
土「そうしてくれるとありがたい。では、頼んだよ。」
そう言って土方さんはどこかに歩いて行った。
何を言われるかなんて想像できないけど、色々考えを巡らせてみると…きっと平助か、スパイについてだろう。
実際のスパイ役は斎藤さんで、ゲームでは平助になっている。
でも、私が平助についていく以上スパイのことについて話しておくつもりだろうか。
なんて、考えても仕方ないので屯所を出て寺田屋に行こうとした時…誰かから声をかけられた。
後ろを振り向くと、そこには永倉さんがいた。
永「…山崎の最後、見てきたか?」
「はい…。」
永「この前のこと、沖田から聞いたで。…伊東さんが局長になった方がええ、ほんまにそう思っとるんか?」
「……彼がいく方に私もいく、誰よりも側で守っていたいんです。私は最初にそう言ったはずですよ?」
永「なら俺たちは敵同士になるっちゅうことや。…そうなったら手伝えるもんも手伝えん。」
「それでいいんです。永倉さん達は自分の信じたいものを信じてください。」
本当は全てを打ち明けたいけれど、それをしてしまったら自分がここからいなくなりそうで…今度こそもう何も言えなくなる。
……ごめんなさい、永倉さん。
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ひじり若葉(プロフ) - 星月さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて励みになりますし、同じ気持ちというところにほっこりしました^ ^更新、スローペースながら頑張っていきたいと思いますᕦ(ò_óˇ)ᕤ! (2022年10月23日 6時) (レス) id: 723b018f27 (このIDを非表示/違反報告)
星月(プロフ) - 更新の度楽しませていただいています!藤堂くんを救いたいという同じ気持ちからとても励まされています߹ ߹本当に素敵な作品ありがとうございます!これからも頑張ってください⸝⸝> <⸝⸝ (2022年10月22日 11時) (レス) id: bfefa7631f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2022年5月6日 17時