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翌日の朝、昨晩作った三つのお守りを持って屯所に向かった。
丁度いいタイミングで、土方さんが私の目の前を通った。
「土方さん！」
土方さんは私に呼び止められて、近くまで来てくれた。
土「何か用か？」
「これ、Aからの贈り物です。」
鉄の入っていないお守りを土方さんに手渡すと、少しだけ微笑んでくれた。
土「律儀だな。…ん、鉄は入っていないのか？」
「鉄入りは藤堂さん用です。…そうだ、斎藤さんにお願いしようと思ってたんですけど、土方さんから渡してくれませんか？」
土「それなんだが、彼女自身から渡した方がいいんじゃないか？」
「え…？でももう会わないと…。」
土「昨日、平助から昼間は何をしていたのか聞かれてね。きっと平助自身も彼女に会いたいと思っている。…平助の弱みとならぬ様に遠慮しているのだろうが、彼は強いし、君も強いであろう？それに、私も微力ながら協力しよう。」
協力って…そこまでして合わせてくれるなんて…、何をするんだろう？
「いいんですか？」
土「私からもらうより、本人からもらった方が嬉しいだろう。」
「分かりました。それでは…、着替えてきますね。すぐに戻ります！」
土「門番にはそのまま平助を呼べる様に私から伝えておこう。」
「ありがとうございます。」
土方さんに一礼をして、すぐに今来た道を帰った。
ー
着替えて寺田屋を出る途中、偶々斎藤さんを見かけたので屯所まで一緒に行くことにした。
「あ、そうだ。斎藤さんにもお守り作ったんですよ。」
鉄の入っていないお守りを渡すと、快く受け取ってくれた。
斎「俺の分なんて良かったんだがな…、ありがとう、大切に使おう。」
「ふふっ、いいんですよ。」
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作者名：ひじり若葉 | 作成日時：2019年1月22日 18時
