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そういえば、ここに来てこんなにのんびりショッピングしたのは初めてだ。
といっても、並んでいるものはレトロが過ぎてるけど…。
布屋に行く途中、見慣れた人を見つけ…つい足を止めてしまう。
「土方さん…。」
土方さんも私に気づいたのか、私に礼をしてこっちに近づいて来た。
土「あなたはこの前の…。」
「Aです、先日はありがとうございました。」
土「いや、それは全然いいんだ。しかし…君はまた一人で出歩いているのかな？」
「…あぁ、すみません。身寄りも友達も居ないもので…。」
土「そうか、それなら私が共にいきましょう。」
「え…？」
まさか土方さんからそんな提案されるとは思ってなくて、本当にびっくりしている。
土「君が迷惑でなければお供しよう。」
「迷惑だなんてそんな…！お気遣いありがとうございます、お言葉に甘えさせて頂きますね。」
私が三浦だと分かっているのか、それとも単純に平助との仲が気になるのか…土方さんの考えていることが全然読めない。
土「君によく似た男性が新撰組の隊士でいるのだが、身寄りがないと言っていたな…？」
「…三浦さんですよね？」
土「あぁ、存じていましたか。」
「はい、以前藤堂さんを屯所に送るときにお会いしました。」
土「そうですか。…それで、今日は何用で？」
土方さんは気づいているのか、気づいていないのか…本当に分からない。
それにしても土方さんとこうして普通に出歩いているだなんてなんだか感動するな。
峯さんって顔がいいし…少し緊張する。
「お守りを作ろうと思いまして。」
土「平助にですか？」
「はい。土方さんもですが、彼には生きていてほしいので。」
土「…ははは、平助は素敵なお嬢さんに慕われていて羨ましい。」
「そんなっ、慕うだなんて…。尊敬しているだけですよ。」
土「では、そう言うことにしておきましょうか。」
慕うだなんて、そんなことあるわけ……ないとは言い切れないのは何でだろう。
ただ尊敬の意で生き残ってほしいだけだったのに、龍が如くの藤堂平助に実際に出会い話していく内に惹かれていったの…？
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作者名：ひじり若葉 | 作成日時：2019年1月22日 18時
