生きる未来を救いたい【龍が如く維新！】 (ページ31)

今日:8 hit、昨日:16 hit、合計:8,966 hit

30 ページ31

藤「それって、…新撰組の誰かですよね。誰なんですか？…沖田さんとかそこら辺かなぁ…いや、まさか土方さんとか？」

平助は悪気なんてなくただ気になったからそう聞いているんだろう。…でも、答えられるわけがない。

「んー、一般的には勇敢で活発な人ですかね。でも、実際会ってみたら違って、何考えてるか分からなくて隙がない人です。まぁ…誰かは言いませんけど。」

平助は一般的には、江戸っ子で品行は不良だったけど、人物がしっかりしているとされている。あるところでは美男子と書かれてもあったが実際のところ写真も絵もないので分からない。
…私は彼とフィクション、文章の世界でしか会ったことがないしそれが本当かはわからないけれど…それでも彼の生き様、武士としての志が素敵だと思う。

藤「ふーん、まぁいいですけど。」

意味がわからないとでも言いたいのか、首を傾げているようだったけど深く聞かれることもなかった。

「藤堂さんにはそういう人居ないんですか？」

私がそう聞くと平助は遠くを見ながら暫く考えて答えた。

藤「…………いないですよ。」

「…そう、なんですね。」

藤「あー、でも、京に火を放つって聞いた時はゾッとしましたよ。…あの人が死ぬのはやだなぁて。」

「…あの人？」

藤「京に来る前、俺が酔って帰ってきたことあるじゃないですか…その時に一緒に呑んでた人ですよ。」

「あ〜…あの人。」

…まさか私っていうとは思わなくて少しだけ心臓が高鳴る。

藤「…俺、人と呑んであそこまで酔ったのは初めてなんですよね。」

平助を見ると、戸惑っているような…少し嬉しそうな顔をしていた。