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プレゼンまで残り二週間。
グループリーダーの
「この調子なら、プレゼンには間に合いそうだね」
「何とか……」
苦笑を浮かべると、彼女は「大丈夫だって」と慰めてくれた。優しい先輩である。
他のメンバーの資料も確認し、グループ最年長の
彼が癖でぽん、と自身のお腹を撫でる様は、どうもタヌキを彷彿とさせる――決してタヌキ親父と言うわけではなく、愛嬌があるという意味で。
そろそろお開きという雰囲気になったとき、小湊さんが「あ、ちょっと待ってください」と声を上げた。
「明後日、一グループにつき一時間ぐらい、会議室を使えることになったんですよ」
「おお、じゃあリハーサルできるね」
「グループで交代で使うみたいなので、何時からか決まったらまた連絡しますね」
互いにお疲れ様です、と声をかけあい、今度こそ会議はお開きとなった。
デスクに戻って時計を見れば、定時を少し過ぎたところだった。資料の微調整だけしてから帰ろうか、と考えていると、後ろから「あの」と声をかけられる。
振り返ると、駒井さんが立っていた。
「どうしたの？」
たずねると、彼は薄く口を開き、閉じた。そして、もう一度口を開く。
「ご相談したいことがあるんですが、お時間ありますか」
神妙な面持ちで告げる彼に、私まで表情が強ばってしまった。
うん、とぎこちなく頷くと、駒井さんは「ありがとうございます」と固い表情のまま言った。
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://twitter.com/April_hrm
作成日時：2022年10月13日 0時
