【イナGO】迷える子羊を愛せよ下【天使と悪魔パロ】 (ページ37)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:5,051 hit

WH-4 ページ37

．

　その瞬間に、目が覚めた。

　懐かしい夢だと思った。しかし、この母はすでに剣城と契約を交わしたあとだということを踏まえると、新鮮だったような気もする。
　私は何とも不思議な気分で、クリスマスの朝を迎えた。

　部屋はまだ薄暗かった。早い時間に起きてしまったのだろうか。時間を確認するために、枕元の携帯電話を手探りで探す。
　すると、ガサ、と指先が何かに当たった。

　おそるおそる目をやる。
　赤い包装紙に、丁寧に巻かれた金色のリボン。そして今日は、十二月二十五日。どこからどう見たって、クリスマスプレゼントだ。

「……えぇ？」

　喜び半分、戸惑い半分で、そのやや大きめの箱を眺める。そんなに重さはなく、ひょいと持ち上げることができた。
　これは、どうしたものだろう。私宛だとは思うが、開けていいのだろうか。
　ひとまずベッドから出ると、部屋の寒さに身震いした。スリッパに足をつっこみ、カーテンを開ける。

　窓の向こうは真っ白だった。うっすらと積もった雪が、朝日を反射している。夜のあいだに、雨が雪へと変わったらしい。
　電車が止まっているかもしれない。仕事がなくてよかったと安心しつつ、積雪への喜びよりも公共交通機関への心配が先に浮かんだことに内心苦笑した。

　プレゼントを抱え、リビングに続くドアを開ける。すると、暖かい空気が流れてきた。