8人目のバイト！？① (ページ28)

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工藤さんがテレビ局の中から出てきて、私を連れてまた中に入っていく。
カードを使って中に入る様子は、いかにも手馴れていて、私はただただついていくのに必死だった。

廊下を歩いていると、普段全然テレビを見ない私でも知ってるようなお笑い芸人さんや俳優さん、女優さんが次々と通り過ぎて行って、これが芸能界かぁ…って、ちょっと感動した(笑)
女優さんって、テレビで見るより生で見た方が何倍も可愛いんだなぁ…顔ちっちゃ！！

工「……A！ちょっと、聞いてんのか？」

「はっ！ごめんなさい！聞いてませんでした…」

私が色々と考えてる間に、工藤さんが何か話してたみたい。。。
まったく…ってちょっとため息をついて、少し歩くスピードを落としてくれた。

工「今日は、番組収録の見学なんだが……」

確かに、そんなことを言ってた。確か、土曜のお昼に関東圏だけで放送されてる冠番組の収録…

工「まだメンバー全員とちゃんと会ったことないから、先に楽屋に行って挨拶してもらう。」

「え！？挨拶！？！？」

工「普通、先輩とか、初めて共演する人には本番前に楽屋に挨拶しに行くだろ。業界というか、社会人としての常識だろ。」

淡々と話す工藤さんに、私は頷くしかない。

工藤さんと出会ってまだ数週間だけど、正直、工藤さんはとっても厳しい。
滅多に笑顔を見せないし、っていうか、仕事のことしか話さないし。
仕事に関するメールも、単純明快で、余計な内容は一切ない。
きっと仕事が何よりも大切なんだろうな～とは思うけど、もうちょっと優しくして欲しい感はある。(笑)

工「ここだ。」

「はい……っえ！？」

またもや私が一人で色々考えてるうちに、『関ジャニ∞様』って書かれた紙が貼ってある扉の前に立っていた。
心臓がドキドキいって、一気に緊張してきた。

「工藤さん…挨拶って、何話せばいいんですか…？」

工「そんなの、自分で考えろ。もう大人だろ。」

「まだ18歳です…」

工「世間的にはもう大人だ。選挙権だってあるんだし。」

「選挙権、関係ないです！」

工「……ほら、つべこべ言わずに、行け！」

そう言って、工藤さんは目の前のドアをノックして、中の返事を待つこともなく勝手にドアを開けてしまった。

そしてその中には、
私がテレビの中で見ていた7人が勢ぞろいしていた。